研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05900
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
津田 誠 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40373394)
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研究分担者 |
齊藤 秀俊 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 准教授 (90444794)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
100,100千円 (直接経費: 77,000千円、間接経費: 23,100千円)
2024年度: 20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
2023年度: 21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
2022年度: 21,840千円 (直接経費: 16,800千円、間接経費: 5,040千円)
2021年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2020年度: 16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
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キーワード | アストロサイト / ミクログリア / 脊髄後角 / 脳 / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,脊髄でのグリア細胞の多様性と,体性感覚(特に痛みと痒み)の情報処理とその結果として表出する行動におけるサブセット独自の役割を明らかにする。さらに,脳からのトップダウンシグナルや末梢組織からの遠隔シグナルなどに注目し,グリアサブセットの活動制御メカニズムも明らかにする。また,慢性的な痛みや痒みにおけるグリアサブセットの役割も明らかにし,その治療応用に向けた基盤技術の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,代表者が最近見いだしたHes5陽性アストロサイトサブセット(脊髄では後角表層のみに存在)に注目し,脊髄後角での体性感覚情報処理とその結果として表出する行動における同サブセット固有の役割を明らかにする。 これまで得られた成果を踏まえ,青斑核の下行性ノルアドレナリン(LC-NA)神経シグナルによる痛覚過敏のメカニズムをさらに詳細に解析した。まず,下行性LC-NA神経の光遺伝学的刺激による脊髄後角でのNA放出を,脊髄後角アストロサイト特異的GrabNE発現マウスの脊髄スライスを用いて解析し,刺激強度依存的なNA放出を確認した。また,同刺激条件で痛覚過敏行動が出現し,その行動はα1A受容体阻害剤の脊髄くも膜下腔内投与により消失した。さらに,LC-NA神経の活動計測のためのファイバーフォトメトリー実験を開始した。 また,脊髄組織からのアストロサイトの単離法の最適化を行った。従来法では分取できるアストロサイト細胞数が非常に少なかったが,本研究では,低温活性化プロテアーゼ,細胞核マーカーDRAQ5およびACSA-2抗体を組み合わせたことで,高収率のアストロサイト単離法を新規に確立できた。また,灰白質アストロサイトをACSA-2強陽性細胞として分取できることも明らかにした。さらに同法を用い,シングルセルRNA-seq解析を実施し,詳細なデータ解析を開始した。 さらに,発達に伴うHes5陽性サブセットの時空間解析をHes5-Venus-KIマウスを用いて検討し,Hes5の発現が時空間的に変化することを示した。これまでの検討でHes5陽性アストロサイトが侵害刺激で活性化することを明らかにしているが,同様の刺激でHes5発現に変化は認められなかった。しかし,末梢神経損傷モデルにおいてHes5発現が減少することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度(翌年度までの継続も含む)の実施項目を遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度の交付申請書の各項目に従って順次予定通り進めていき,分子から細胞,個体レベルで包括的に研究を実施していく。
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