研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05904
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 (2023-2024) 東京工業大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
星野 歩子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00819964)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
101,140千円 (直接経費: 77,800千円、間接経費: 23,340千円)
2024年度: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2023年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2022年度: 19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2021年度: 22,880千円 (直接経費: 17,600千円、間接経費: 5,280千円)
2020年度: 20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
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キーワード | エクソソーム / 臓器連関 / 脳―臓器クロストーク |
研究開始時の研究の概要 |
エクソソームは全ての細胞から産生される30-150nmの微小胞であり、もともと細胞のゴミ処理機構と考えられて来たが、新たな細胞間コミュニケーションツールとしての重要な機能が注目されている。本研究提案では、脳による複合的生体制御をテーマとし、脳とその他の臓器を繋ぐ細胞外微粒子に着目した検討を行う。本計画研究はエクソソームを媒体とした脳-身体コミュニケーションに着目し、グリアエクソソームによる体内環境情報の読み出しおよび脳内エクソソームによる臓器への影響について解析しグリアが司る体内制御デコーディングを明らかにする役割を担う。
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研究実績の概要 |
本計画研究はエクソソームを媒体とした脳-身体コミュニケーションに着目し、グリアエクソソームによる体内環境情報の読み出しおよび脳内エクソソームによる臓器への影響について解析しグリアが司る体内制御デコーディングを明らかにする役割を担う。エクソソームは全ての細胞から産生される30-150nmの微小胞であり、もともと細胞のゴミ処理機構と考えられて来たが、新たな細胞間コミュニケーションツールとしての重要な機能が注目されている。
本研究提案では、脳による複合的生体制御をテーマとし、脳とその他の臓器を繋ぐ細胞外微粒子に着目した検討を行う。未知の脳―身体連関の制御シグナルの解明を目指すため、脳・肺・肝臓・脾臓・腎臓・骨髄(免疫細胞)・腸から組織由来の細胞外微粒子を回収し、微粒子のサイズ、産生量、タンパク含有量並びにプロテオミクス解析により含有タンパク質の種類を同定する。さらに、国内1台目となる微粒子タンパク質解析機器ExoViewを用いて各臓器並びに脳内細胞由来エクソソームの性質を明らかにする。
本年においては、様々な臓器から産生されるエクソソームの産生量の違い、そのサイズの違い、そしてタンパク含有量などについて検討を行った。さらに、そのエクソソームが体内でどの様な挙動を示すかについても事前データを得ることができた。その結果、正常の状態では、臓器別にエクソソームの産生量が大きく異なることがわかり、タンパク質量についても差があることがわかった。また、特定の臓器由来のエクソソームにはある程度特異的な臓器分布があることも見えてきた。さらに、特定の疾患モデルにおける変化についても検討をはじめられ、エクソソームによる臓器連関の破綻との関係についても事前データが得られてきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究目的の一つである、臓器連関とエクソソームについて紐解くため、健常のマウスの各種臓器からエクソソームを単離しその特徴について明らかにしてきている。また、疾患マウスモデルにおけるエクソソームの単離も既に行っており、その違いについて次年度以降解析を進めていける状態が作られている。 さらに、当初エクソソームのタンパク質についての検討のみを行う予定であったが、それについて別の解析手法も取り入れられる状況ができつつあり、その点において当初の計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
各種臓器から単離されたエクソソームをマウスへ投与し、どの臓器との連関が正常時で起きるのか、また疾患においてそれはどの様に破綻するのかについて検討を続ける。さらに、脳のグリア細胞に特定の臓器由来エクソソームを投与するとどの様な変化が見られるのかについて検討を進める。 疾患マウスモデルにおいては、脳由来エクソソームについての知見を広げていき、バイオマーカーおよび疾患の機能分子としての可能性について解析を進める。 プロテオミクス解析の結果を用いて機械学習を行う。また、共同研究者との連携により、どの臓器由来のエクソソームが血漿中に多く、それがどの様に疾患と健常で異なるのかについても明らかにしていく。
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