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臨界期の神経回路再編成における注意の役割の解明

計画研究

研究領域脳の若返りによる生涯可塑性誘導ーiPlasticityー臨界期機構の解明と操作
研究課題/領域番号 20H05920
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関東京大学

研究代表者

ヘンシュ 貴雄  東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任教授 (60300878)

研究期間 (年度) 2020-11-19 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
123,370千円 (直接経費: 94,900千円、間接経費: 28,470千円)
2024年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
2023年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
2022年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
2021年度: 21,840千円 (直接経費: 16,800千円、間接経費: 5,040千円)
2020年度: 32,500千円 (直接経費: 25,000千円、間接経費: 7,500千円)
キーワード臨界期 / 可塑性 / 抑制性神経回路 / 注意 / 精神疾患 / マウス
研究開始時の研究の概要

子供の脳は「臨界期」と呼ばれる特定の期間に,視覚や言語など様々な能力を発達させる。感覚刺激や社会的刺激に対応して柔軟に変化し、その結果が永続的に残る。脳の可塑性が高い窓を開始させる分子と終了させる分子について理解が進み、臨界期のタイミングを操って成人後に可塑性を復興する手段が得られるようになるだろう。いずれは薬品などの医学的処置によって臨界期を再び始動させて、脳神経再生医療の発展に繋げていきたい。

研究実績の概要

生後発達期に存在する臨界期のメカニズムは、視覚や聴覚など比較的単純な機能の発達に関しては広く知られている。一方、認知や注意などの高次脳機能の発達にも同様に生後初期の臨界期の存在が示唆されているものの、その詳細は明らかになっていない。また、成体において分子的・薬理的手法により臨界期を再開できることが示されているが、注意などの行動的過程が同様に成体において臨界期の神経回路再編や可塑性に及ぼす影響は知られていない。
本研究では注意機能がどのような臨界期メカニズムにより形成されるか、また注意機能が神経回路再編や臨界期の再開にどのような影響を及ぼすかという双方向のインタラクションの解明を目的とする。これまでの我々の研究において、マウスで生後1週間の臨界期での外的ストレスが前帯状皮質のドーパミン受容体の発現を変化させ、成体での注意機能を阻害することがわかっている。また、同じ臨界期ストレスが睡眠障害を誘発することも見出されている。これらの知見を発展させ、臨界期ストレス後の注意障害・睡眠障害と前帯状皮質ドーパミン受容体の関係性を探った。まず、断眠による睡眠障害は臨界期ストレスと同様のドーパミン受容体サブタイプの発現変化を引き起こし、かつ注意機能を低下させることが分かった。これらの発現変化に拮抗する薬理的操作を前帯状皮質に施したところ、臨界期ストレスによる注意障害、および断眠による注意低下の両方が同様に緩和されることがわかった。これらの結果から、臨界期ストレスおよび睡眠障害による注意機能低下は共通の分子メカニズムにより引き起こされ、臨界期ストレスが睡眠障害を誘発することにより注意障害につながることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

注意機能の発達に影響する臨界期メカニズムを、睡眠障害との関わりおよび分子メカニズムのレベルで同定することでさらに発展させた。

今後の研究の推進方策

引き続き、注意機能と臨界期可塑性の相互作用を多角的に解析する。特に、注意が神経回路再編と臨界期再開を促進させるという仮説を検証する。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書

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公開日: 2020-11-24   更新日: 2024-12-25  

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