研究領域 | 実世界の奥深い質感情報の分析と生成 |
研究課題/領域番号 |
20H05960
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
筧 康明 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40500202)
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研究分担者 |
仲谷 正史 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (90714965)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
73,970千円 (直接経費: 56,900千円、間接経費: 17,070千円)
2024年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2023年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2022年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2021年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2020年度: 19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
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キーワード | 実体質感 / マテリアルインタラクション / アート表現 / ソフトセンサ / 実体ディスプレイ / 質感 / クロスモーダル / 行動変容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、実素材およびそれらを多数集めた群(実素材群)の特性や振る舞いを制御し、素材性を活かした情報提示やインタラクションを行うフィジカルメディアの創出に取り組む。特に、コンピュテーショナルに制御される動的な実素材群の形状・色彩・触感などが人間にもたらす質感および行動変容に関する研究を実施し、その知見を設計に取り込む。さらに、ヒューマンインタフェース、アートなどへの応用を通して、環境に溶け込みながら、人間とのインタラクションを誘引するデザイン方略を導く。
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研究実績の概要 |
1.実素材(群)の振る舞いが人間に与える質感解析:実体質感評価フレームワークを群質感に拡張した研究を進め、群質感を表現する評価語の選定を進めた。また、2(1)で述べる装置を用いて素材やその配置、動きを変えながら、フィジカルディスプレイの質感印象評価を行った。また、触感メタマテリアルの研究を進め、3Dプリンタで造形可能なラティス構造を複数種類、層状に重ねることで、ヒトが得る柔らかさ知覚を変化させる現象を見出した。 2.実素材(群)のマルチモーダル制御とインタラクション: (1)スプリング状モジュールとアクチュータ群を用いて形状と色、テクスチャなど特性をマルチモーダルに変化させる実体ディスプレイの開発を進め、8x8ユニットのサイズでの大型化、さらに定量的な評価実験を行った。(2)デジタルファブリケーション技術を用いて、ものに質感や、その質感を活かした機能を付与する研究を行った。特に3Dプリントで柔らかい質感を持つ変形センサについて、磁石による形状カスタマイズや、異なる質感素材を組み合わせるセンサ設計に関する検討を行った。また、卓上型引張圧縮試験機を用いた物理特性の計測を進めた。 3. 実素材(群)質感を活かすアート、インタフェース応用の展開として、3Dプリント微細構造を持つキャンバスによる動的絵画作品、日本画画材である岩絵具を素材とする機械的描画とそれを用いた絵画制作、植物の生体電位を通じて環境情報のセンシングと可視・可聴化を行う作品制作を行い国際アートフェスティバルを含む展示を実施した。この他、視覚実体質感としてヒト顔の起伏の大きさ知覚が背景画像の画像統計量から受ける影響についての研究、聴覚実体質感として鈴の音をモチーフとして文化史調査と鈴をヒトが鳴らす動作探索、味覚実体質感として感性評価研究を通した市販のグミ製品のカテゴリーと分類についての検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実素材群のマルチモーダル制御、実体質感評価するフレームワーク構築の両研究項目共に、上記実績に述べたとおり、対外的な発表を含めて順調に進めることができている。また、アートやインタフェースへの応用に関しても国際アートフェスティバルでの展示など成果を挙げている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画に沿って進行させる予定である。 引き続き、本学術変革研究領域での他の研究グループとの議論やコラボレーションをさらに活性化させていきたい。
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