研究領域 | 社会変革の源泉となる革新的アルゴリズム基盤の創出と体系化 |
研究課題/領域番号 |
20H05962
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
宇野 毅明 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (00302977)
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研究分担者 |
中小路 久美代 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00345133)
松田 智裕 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (00844177)
瀧川 一学 京都大学, 国際高等教育院, 特定教授 (10374597)
山本 章博 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30230535)
久保山 哲二 学習院大学, 付置研究所, 教授 (80302660)
石畠 正和 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 研究主任 (80726563)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
148,330千円 (直接経費: 114,100千円、間接経費: 34,230千円)
2024年度: 27,690千円 (直接経費: 21,300千円、間接経費: 6,390千円)
2023年度: 37,830千円 (直接経費: 29,100千円、間接経費: 8,730千円)
2022年度: 37,830千円 (直接経費: 29,100千円、間接経費: 8,730千円)
2021年度: 35,880千円 (直接経費: 27,600千円、間接経費: 8,280千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | アルゴリズム / モデル / 最適化 / 分野横断 / 文理融合 / 社会課題 / 議論手法 / 情報数理 |
研究開始時の研究の概要 |
複雑で多様な価値観や視点が交錯する現代の社会、経済、環境などの諸問題を、自然科学・人文科学・社会科学・医学などの研究者、教育・ジャーナリズム・製造業・IT・知財などの専門家とともに、多様な視点から深い専門性を伴った議論を行い、これまで情報科学で扱われてこなかった概念の言語化と、情報科学が取り組むべき問題群のカタログ化を行う。評価値最大・精度最大等の既存概念にとらわれず、抽象化、認知的アプローチによるモデル化を行い、定式化プラットフォームを構築すると同時に、それら問題に対する新しいデザインのアルゴリズムを開発し、高い質や機能を持つ解を生成する新しい機構を持つアルゴリズムを実現する。
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研究実績の概要 |
まず、問題カタログの構築については、今年度40回程度の議論を行い、様々研究者や実業家などを招聘し、様々な観点から情報学の新しい問題構築に資する議論を行い、新しい概念構築を試みた。結果、新しい問題群のシードとなる概念をいくつも構築し、それらを記録化した。また、人文系との融合のトピックにおいて情報学的な研究を行った。特に唐宋八大家古文の計量分析、地方史統計資料の可視化操作技術、伝統文様アノテーションに対する情報技術の開発などを行った。 議論手法の開発においては、・3グループでリアルに近い感覚で話せるオンライン会話ツールを開発した。また、分野横断的な議論を行う際の相互理解を深めるため、および概念の明確化を行うためのインタビューイング技術を開発した。 また、これらの研究の基盤となる基礎アルゴリズムについて、構造列挙アルゴリズム、意味構造解析アルゴリズム、機械学習に関するアルゴリズムなどの形で開発を行った。 これら研究活動によって得られたものを、順次情報発信し社会還元を行った。特に、アルゴリズムの平易な解説を多分野の視点も含めわかりやすく解説した解説記事、開発した議論技術の一つであるインタビューイング手法を利用した、研究内容の言語化および発送支援技術を研究構想に活かすファンドセミナーなどの形で発信を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
議論技術開発、議論プラットフォーム構築については、いろいろな人物を招聘し多くの議論をしてきた。非常に多くの概念を獲得している。また、オンラインの議論環境構築も進んでおり、従来なかった議論手法やオンラインツールの効果的な使用法が開発できている。 また、年度初めに具体的な問題カタログ構成を直接的に行おうとしたが、それは難しいことがわかり、まずは記述に必要な概念整理、概念獲得を中心に進めていくこととした。 コロナによる研究環境の変化については、対面の議論が減ったが、その分チャットツールやテレビ会議システムの利用により、以前より密な連携を実現。一方で、RAやPDの雇用によるアルゴリズムのプロトタイプ実装、およびデータ分析に関わる部分については、facetofaceのコミュニケーションの機会の喪失から人材発掘に困難が発生し、停滞している。
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今後の研究の推進方策 |
まず、当班の主目的の一つである、議論手法、議論プラットフォームの開発に関して、2021年度までの活発な研究活動による成果の創出をそのまま伸ばし続け、より多くの議論技術の開発を行っていく予定である。特に、思考・見立てなどの自身の内側にある行動、対象を見る、聞く、観察し理解するなど、外部からのものを入力し、それを構造化する手法、内部の情報を言語化、表現し、外部に対して伝え、説得し、共有しやすくする方法、と言った3つの観点での分類を基軸にすることを試行し、技術の整理を行いたい。 また、多分野の研究者との議論による情報学への新しい概念獲得についても、このペースで進め、より多くの概念獲得を行いたい。また、獲得した概念や開発した議論技術については、徐々に記述を進め、公開可能な形に落とし込んでいきたい。これら新しい概念を、情報学の観点から精緻化し、徐々に問題カタログへと落とし込んでいきたい。 また、2021年度はあまり活発に行うことができなかった、他の班とのアルゴリズム理論の利用や構築を伴う共同研究などの協業について、促進していきたい。
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