研究領域 | 分子サイバネティクス ー化学の力によるミニマル人工脳の構築 |
研究課題/領域番号 |
20H05972
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
葛谷 明紀 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (00456154)
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研究分担者 |
瀧口 金吾 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (20262842)
上杉 薫 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (20737027)
コビル アリフ 北海道大学, 理学研究院, 特任助教 (10724867)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
187,200千円 (直接経費: 144,000千円、間接経費: 43,200千円)
2024年度: 39,000千円 (直接経費: 30,000千円、間接経費: 9,000千円)
2023年度: 39,000千円 (直接経費: 30,000千円、間接経費: 9,000千円)
2022年度: 39,390千円 (直接経費: 30,300千円、間接経費: 9,090千円)
2021年度: 38,220千円 (直接経費: 29,400千円、間接経費: 8,820千円)
2020年度: 31,590千円 (直接経費: 24,300千円、間接経費: 7,290千円)
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キーワード | 分子モーター / DNA / 化学エネルギー / リポソーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではミニマル人工脳を構成する3種のニューロイド(人工細胞リポソーム)のうち、「変形」およびその結果としての「他SPAユニットとの二次的接続」を担うアクチュエータニューロイド(Aユニット)の構築を行い、SPAユニットネットワークの「展開」を実現する。このために、トランスデューサを介した外部シグナルに応答してリポソーム全体の球形から楕円形への大変形や、長大な突起の伸長を誘導するニューロイド駆動システムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究ではミニマル人工脳を構成する3種のニューロイド(人工細胞リポソーム)のうち、「変形」およびその結果としての「他SPAユニットとの二次的接続」を担うアクチュエータニューロイド(Aユニット)の構築を行い、SPAユニットネットワークの「展開」を実現する。「Pユニットからの出力に応答した、突起の形成やリポソーム大変形の実現」、「変形にともなう力を計測するシステムの確立」などを通じて、Aユニットの変形によるSPAユニット間の結合(シナプス)形成、すなわち、Aユニットに組み込んだレセプタ/トランスデューサを介してSPAユニットを別のSPAユニットと動的に接続する機構の開発をめざす。 2021年度、葛谷はリポソーム内でのATP濃度を解析する系の開発を目的として、発光タンパク質をリポソーム内で機能させ、その発光量からATP濃度を推定する手法を検討した。その過程で、発光タンパク質の発光をDNAで制御することを着想した。瀧口はアクチン封入リポソームの大変形を操作するための技術開発の一環として、アクチン線維のネマティック液晶形成における人工夾雑物(ビーズ)の共封入の効果の検証を昨年度に引き続き行なった。また葛谷が合成したアクチン結合ペプチド修飾DNAの機能確認を行った。コビルは微小管およびキネシンのリポソームへの最適な封入条件、およびリポソーム膜への微小管の固定化法を検討した。上杉はリポソームの変形を3次元的に観察するために構築した二種の観察系について、実際にリポソームを用いて解析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の成果を参画している研究者たちがそれぞれ順調に発展させており、計画調書の数値目標の達成がかなり具体的に見えてきた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は「ニューロイド内で機能する自己組織化に基づく外部刺激への応答性と、情報伝達機能を備えた分子アクチュエータシステムを開発する」ことを最終目標としており、研究開始3年目までに、下記の中間目標を定めている。(i) Pユニットからの出力に応答した、リポソーム直径の100%の長さに相当する突起の形成、もしくはリポソームのアスペクト比 1:2 以上の大変形を実現する。(ii) 光照射による変形のリセット機構を組み込み、動作とその解消からなる一往復のアクチュエーションを実現する。(iii) 変形にともなう力を計測するシステムを設計・構築する。 2022年度は、(a) 研究分担者らによって既報の「DNA修飾微小管/キネシンモーター系とDNAオリガミ構造体を組み合わせた分子人工筋肉」をリポソーム内に高濃度で封入し、動作させることをめざし、引き続き封入条件を最適化する。(b) 研究分担者らによって既報の「リポソーム内に封入したアクチンファイバーによるリポソーム駆動系」にDNA分子情報応答能を付与するために、アクチン結合ペプチド修飾DNAをトリガーとしたアクチンファイバーの束化を検討する。(c) ひきつづきリポソーム変形の力学特性解析のための力学センサー機構の構築をおこなう。の各項目を実施する。
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