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自己感の変容をもたらすデジタル身体性神経基盤の解明

計画研究

研究領域デジタル身体性経済学の創成
研究課題/領域番号 21H05071
研究種目

学術変革領域研究(B)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅰ)
研究機関東北大学

研究代表者

細田 千尋  東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (20578976)

研究分担者 田中 由浩  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90432286)
研究期間 (年度) 2021-08-23 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
40,950千円 (直接経費: 31,500千円、間接経費: 9,450千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2021年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
キーワードデジタル身体性 / 神経基盤 / 触覚 / 安静時脳機能結合 / 脳可塑性 / 情動 / 意思決定 / 身体性
研究開始時の研究の概要

本計画研究は、「デジタル身体性経済学」を創出するための、デジタル身体性情報が起こす自己と他者の関係性変容の神経科学的知見を明らかにする。具体的には、デジタル身体性情報(触覚の振動情報や心拍等の生体情報)が伝送・共有されたときに、(1) 他者の経験を自己のものとして捉える自己感覚の拡張を起こすか?その変容神経基盤の解明 (2) 他者への心理的接近(好感・信頼・同情)や回避反応(嫌悪、不信、妬み)といった情動と、それに基づく意思決定(行動)の個人差神経基盤の解明 (3)デジタル身体性情報共有が脳機能や構造に与える影響(脳可塑性)を明らかにする。

研究実績の概要

人と人が直接接することが困難になりつつある現代社会において、リモートコミュニケーション (e.g., Zoom)が広く利用されており、遠隔においても臨場感のあるコミュニケーションを実現することが期待されている。分担者田中らは、視覚や聴覚の伝達に加え、身体性情報(触覚)を共有する技術を開発してきたが、この新たな触覚情報の共有がヒトに及ぼす効用は不明である。そこで本年度は、触覚情報の共有が、脳機能にどのような影響を与えるか検討することを目的とした実験を実施した。
被験者は、70名 (女性=34名、平均年齢=21.1歳)であった。触覚情報を随伴しZoom上で会話をする触覚コミュニケーション群 (n=36名)と、通常に会話をするコントロール群 (n=34名)を作成した。被験者は、話し相手 (実験者)と簡単な自己紹介をした後、各条件のもと15分間会話を行った。会話内容は、Aronらが作成した、相手との心的距離感を変化させないような会話(質問リスト)に沿って行われた。会話中、触覚コミュニケーション群では、参加者の会話内容に承認や同意を示すタイミングで触覚情報が付与された。被験者は、会話の直線・直後に、3T MRI (Siemens PRISM)によりrs-fMRI を取得した。線条体をシードに設定し、seed-to-voxel analysisを行った。内観報告に基づき適切な触覚情報を感じることができなかった参加者 (25名)を除き、2要因の分散分析[グループ (触覚・コントロール)×時間 (会話前・会話後)]を実施した。また、触覚共有による情動変化を検討するため、相手との繋がりに関するスコアと共感に関連する前帯状回をシードとした安静時機能結合の相関分析を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

70人に対し、遠隔コミュニケーション時のデジタル身体性情報の共有が脳と心理に与える影響について実験を実施し、結果を得ることができたことからおおおむね順調に進展している

今後の研究の推進方策

触覚情報の共有については、これまでもその感度の個人差が大きいことが報告されてきたが、我々の実験でもその個人差が大きいことが見出された。よってこの技術の利用においては、この個人差を事前に知るすべが確立されることが重要であると考える。よって、今後は、脳や心理情報からこれらの個人差についての推定をする技術の開発研究を実施する。また、どのような触覚情報が、脳機能、利他性などに影響を及ぼし得るのかについても検討をしていく

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 主観感情の時間的変化の直感的な記録・可視化手法:身体性に根ざした感性表現の二次元マップの構築2023

    • 著者名/発表者名
      原田誠一,伊藤万由子,渡邊淳司,田中由浩,加藤昇平,村田藍子
    • 雑誌名

      日本バーチャルリアリティ学会論文誌

      巻: 28

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 第三者視点映像に対する運動模倣と複数部位への触覚提示による”なりきり体感観戦”の実現-遠隔フェンシング観戦におけるユースケース-2023

    • 著者名/発表者名
      駒崎掲,久原拓巳,田中由浩,渡邊淳司
    • 雑誌名

      日本バーチャルリアリティ学会論文誌

      巻: 28

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Imaginations Induce distinct Spatiotemporal Perceptions of Synthetic Vibrotactile Stimulation to Multiple Points2023

    • 著者名/発表者名
      Takumi Kuhara, Kakagu Komazaki, Junji Watanabe, and Yoshihiro Tanaka
    • 雑誌名

      Proceedings of the IEEE World Haptics Conference 2023

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 合成振動触覚刺激に対する知覚現象の基礎検討2022

    • 著者名/発表者名
      久原拓巳,駒崎掲,渡邊淳司,田中由浩
    • 学会等名
      第27回バーチャルリアリティ学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] A Psychological and Behavioral Study on Remote Audio-Visual-Tactile Communication System with Pressure Stimulation2022

    • 著者名/発表者名
      Mayuko Ito, Takumi Kuhara, Takuto Matsuhashi, Chihiro Hosoda, Keigo Inukai, Junji Watanabe, Kouta Minamizawa, Yoshihiro Tanaka,
    • 学会等名
      EuroHaptics
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 遠隔触覚コミュニケーションによる脳可塑性の検討2022

    • 著者名/発表者名
      松橋拓努,細田千尋
    • 学会等名
      第8回ヒト脳イメージング研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2023-12-25  

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