研究領域 | 低エントロピー反応空間が実現する高秩序触媒反応化学 |
研究課題/領域番号 |
21H05082
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
宮村 浩之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (00548943)
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研究分担者 |
八谷 巌 三重大学, 工学研究科, 教授 (50312038)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
32,760千円 (直接経費: 25,200千円、間接経費: 7,560千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 低エントロピー反応空間 / 連続フロー合成 / 不均一系触媒 / 協調触媒 / 水素化反応 / 核水添反応 / アントラキノン化合物 / フロー合成 / 芳香族化合物水素化 / 金属ナノ粒子 / 流体・反応シミュレーション / ロイコキニザリン / 連結型連続反応器 / 反応メカニズム解析 / Lewis酸触媒 / 協調触媒系 / 多段階合成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究領域では触媒反応系における反応経路の高秩序化を可能とする「反応に関与する化学種が高度に秩序だって存在する空間」を「低エントロピー反応空間」と定義し、そのような反応空間の設計理論の構築を行う。不均一系触媒反応や気相―液相―固相からなる多相系反応において、フロー系でのバッチ系に対する反応加速や選択性向上の要因を、反応空間に由来する物理的因子と化学反応における活性化パラメーター変化、特に活性化エントロピー変化との相関を明らかにする。また、複数の触媒が異なる時間軸で機能する協調触媒系や、多段階合成のためのフロー触媒系に即した低エントロピー反応空間を設計し、従前の手法では達成困難な触媒反応を行う。
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研究成果の概要 |
二種類の触媒を用いることで相乗的に活性化エネルギーを低減化させ、反応促進が可能な協調触媒系に着目し、不均一系触媒であるRh-Pt/DMPSi-Al2O3と均一系触媒であるSc(OTf)3の協調触媒系を用いる核水添反応を開発した。 キニザリンのロイコキニザリンへの選択的水素化を実現する不均一系触媒を新たに開発し、基質溶液と水素を同時に流通させ反応を行う連続フロー合成を達成した。さらに、連続合成プロセスで気液分離や溶媒条件を可能とするFlow-Batch-Separator一体型反応器を開発し、ロイコキニザリンの連続フロー合成と2段階目の誘導化反応を完全に連続システム化することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、環境負荷の低い有機合成法や機能性化学品の生産プロセスが注目される中、省物質消費、省エネルギー社会の実現に高機能触媒や高効率化学プロセスの実現が望まれている。本研究では、半永久的に使用可能な不均一系触媒の開発と、それを用いる連続フロー有機合成反応の開発に焦点を当てた。特に、新たに開発した不均一系触媒を用い、クリーンな原料である水素を原料に、機能性化学品として有用な様々な化合物の連続フロー合成を達成した。今後は本研究で開発した連続フロー合成のスケールアップによる機能性化学品の大量合成の実証や、実生産による社会実装への展開が期待される。
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