研究領域 | 革新的ナノテクノロジーによる脳分子探査 |
研究課題/領域番号 |
21H05090
|
研究種目 |
学術変革領域研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
|
研究機関 | 東京工業大学 (2023) 東京大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
安楽 泰孝 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (60581585)
|
研究分担者 |
中木戸 誠 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (80784511)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
48,490千円 (直接経費: 37,300千円、間接経費: 11,190千円)
2023年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2022年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2021年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
|
キーワード | 高分子 / 脳 / 高分子集合体 / ナノマシン / 抗体工学 / 脳分子回収 / 血液中に帰還 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、高分子集合体(ナノマシン)を基盤技術とし、高分子化学、材料科学、蛋白質工学的観点からさらに洗練し、従来の薬剤を疾患部位に送り届けるDDSではなく、既存技術では着想もしないBBBを効率的に通過し、脳分子を回収、さらには血液中に帰還することで、脳分子情報を知らせるナノマシンを構築し、中枢神経系疾患の革新的診断法へと展開し、脳内外の物質移動研究に新たな学術的視点をもたらすことを目的とする。また脳分子と脳機能・疾患との関連を精査する分子脳病態班と、独自の高感度分析技術を駆使したマルチオミックス解析により微量の脳内成分の同定を行う極限検出班と連携し、脳分子探査の研究基盤構築に貢献する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、血液脳関門を通過して脳分子を回収し、血液中に持ち帰るナノマシンの開発を行った。具体的には、①脳内環境に応答して構造変化し脳分子を回収するナノマシン開発と②脳内から血液中に戻るナノマシンの開発を検討した。まず所望の機能を有する新規ブロック共重合体を合成した。①に関しては、血液環境では直径30 nmほどの高分子ミセルが、脳内環境において直径150 nm程の高分子ベシクルへと構造転移することを確認した。また構造転移によって神経伝達物質をサンプリングすることも確認した。また②では、ナノマシン表層にFcフラグメントを搭載することで、脳内から血液中に移行するナノマシンを開発することに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「脳内で集合体の構造変化を惹起」することで「脳分子を回収」し、さらに「血液中に帰還する」ことで早期診断へ展開する「はやぶさ型ナノマシン」については、脳へ多量の高分子集合体を送達可能な申請者の技術なしでは着想もしない独創的な研究であり、脳内外の物質移動研究に新たな学術的視点をもたらすことが想定される。幅広い精神神経疾患や脳炎など広範な疾患についても大きく貢献することが確信される。また高分子/材料設計の観点からも、生体適合性・標的指向性・環境応答性という異なる機能を空間的に制御された形で構造内部に配置する仕掛けを創り込むなど、独創性に秀でた生体材料設計プロセスを当該分野にもたらす意義を有する。
|