研究領域 | 遅延制御超分子化学 |
研究課題/領域番号 |
21H05094
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
齋尾 智英 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (80740802)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
30,030千円 (直接経費: 23,100千円、間接経費: 6,930千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2022年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | タンパク質フォールディング / 結合キネティクス / シャペロン / 過渡構造 / 遅延制御 / NMR / キネティクス / 蛋白質フォールディング / 立体構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、生体分子のナノスケールでの構造形成である「蛋白質folding」の制御メカニズムを、従来の「熱力学視点」から「速度論視点」への変革によって解明する。特にfolding制御因子であるシャペロンに注目し、シャペロンがどのように蛋白質の特定のfolding過程を「遅延制御」することで天然構造へと導くのか、そのメカニズムを明らかにする。それによって、生体分子の複雑で非対称な構造形成における多段階制御メカニズムの理解と「遅延制御超分子化学」の分子基盤確立を目指す。具体的には、シャペロンを対象とした立体構造解析、キネティクス解析などに取り組む。
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研究成果の概要 |
生命や生体分子における速度論制御「遅延」に注目し,そのメカニズムの理解とものづくりへの展開を目指す本領域において,本研究では,生体分子の構造形成における遅延制御メカニズムの解明に取り組んだ.特に,フォールディング途上の未成熟なタンパク質を認識し,フォールディング過程を制御する「シャペロン」に注目し,シャペロンが基質タンパク質を認識しフォールディングを制御するメカニズムの解明に取り組んだ.研究推進においては,領域内での密接な連携により,複数の計測技術,解析技術,計算などを相補的に取り入れた学際融合共同研究を行い,タンパク質フォールディングやシャペロンのメカニズムについて新たな知見を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,これまで詳細なメカニズムが不明であった,シャペロンによるタンパク質フォールディング制御について,速度論の視点を取り入れた新たな戦略によってメカニズムを解明した.本研究で明らかにされたメカニズムは,多種のタンパク質を基質としながら機能的な特異性を発揮するシャペロンの特徴的な作用機序を説明するものであり,構造生物学研究に新たな視点を取り入れた点において,高い学術的意義を有する.さらに,本研究で明らかになったシャペロンの動的な作用機序は,抗体などのバイオ医薬品の生産や次世代のタンパク質設計における基盤的理解をもたらした点において,高い社会的意義を有すると判断できる.
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