研究領域 | 表面水素工学:スピルオーバー水素の活用と量子トンネル効果の検証 |
研究課題/領域番号 |
21H05099
|
研究種目 |
学術変革領域研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
本倉 健 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90444067)
|
研究分担者 |
荻原 仁志 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60452009)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
34,060千円 (直接経費: 26,200千円、間接経費: 7,860千円)
2023年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2022年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
|
キーワード | 固体酸触媒 / 担持金属触媒 / 水素スピルオーバー / 還元反応 / 酸化反応 / 固体触媒 / 固定化触媒 / 水素化 / C-H活性化 / 水素移動反応 / アルキル化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
触媒分野では水素スピルオーバー現象が古くから知られており、これを利用した触媒設計が行われている。本申請課題では、最新の触媒設計手法・原子分子レベル構造解析手法と水素スピルオーバー現象を組み合わせ、スピルオーバー水素を使いこなすための革新的触媒の開発を目的とし、i) 精密設計固体表面での水素スピルオーバーによる高選択的官能基変換、ii) 高速水素スピルオーバーを利用した高選択的連続反応、および iii) 水素の逆スピルオーバー現象によるC-H結合活性化・平衡制約回避、を実現するための新規触媒開発に取り組む。
|
研究成果の概要 |
水素スピルオーバー現象を活用し、種々の脱水素型反応・水素化反応等を加速する触媒反応系の開発を実施した。例えば、固体酸触媒であるゼオライトの外表面にPdナノ粒子を固定した触媒を開発し、酸点とPd粒子間の水素移動を活用することで、この触媒がアルカンを直接用いる芳香族アルキル化反応に活性な触媒となることを見出した。さらに、水素化反応に活性なシリコン表面に発生するSi-H種を活用したCO2の水素化反応や、水素スピルオーバー現象を用いて形成されるバイメタル触媒によるメタンカップリング反応等の開発に成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素スピルオーバーとは、固体表面を活性な水素種が高速で移動する現象を指す。固体表面で進行する触媒反応は、水素スピルーバー現象を活用することで大幅に促進される。例えば、アルカンとベンゼンの脱水素カップリング反応では、酸点でアルカンから引き抜かれた水素種が触媒表面を高速で拡散し、金属粒子表面で再結合して水素分子となる。本研究ではこの反応経路に基づいて、酸点とパラジウムナノ粒子が共存する触媒を開発し、脱水素カップリング反応に活用した。これらの成果は、高効率な物質生産に寄与するだけでなく、これまでブラックボックスとされてきた触媒反応に寄与する水素種の挙動を明らかにした点で重要な成果である。
|