研究領域 | 表面水素工学:スピルオーバー水素の活用と量子トンネル効果の検証 |
研究課題/領域番号 |
21H05100
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青木 芳尚 北海道大学, 工学研究院, 教授 (50360475)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
33,930千円 (直接経費: 26,100千円、間接経費: 7,830千円)
2023年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2022年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 電気化学アンモニア合成 / プロトン固体酸化物電解セル / ヒドリドイオン伝導体 / 水素スピルオーバー / 粒界伝導 / プロトン伝導体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は、担体上のスピルオーバー拡散がプロトンまたはヒドリドイオンと電子の両極性拡散であることを実証し、また、ヒドリドイオン伝導体を用いた場合、水素トンネル輸送が起こりやすいことを証明する。最終的に、これらの触媒系をプロトン電解質膜セルのカソードに応用し、H2O-CO2共電解によるアルコール合成を検討する。水素スピルオーバーによって従来の固体電解質デバイスの有効反応場を飛躍的に増大させる。
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研究成果の概要 |
本研究では、よく知られた岩塩型構造の金属窒化物であるVN0.9が、水素スピルオーバーが多結晶体内部表面にまで及んだ現象と捉えることができる水素粒界拡散性を示し、よってH+-SOCアンモニア合成の有効な電極材料であることをつきとめた。電気化学水素ポンピングの解析により、VN0.9カソードは表面でのHERを効果的に遅抑制する一方で、水素イオンの粒界拡散による水素透過性をもつことがわかった。したがって、Ru表面層を担持したVN0.9カソードを用いたセルにより、H2O-N2共電解アンモニア合成のファラデー効率12%を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のハーバーボッシュ法によ依るアンモニア合成は、化石燃料由来の水素を大量に消費するため、低炭素社技術への転換が求められている。固体電解セルを使ったH2O-N2共電解による電気化学的アンモニア合成は、水を水素源として窒素還元を行うため、次世代プロセスとして期待されている。一方位でこれまでの共電解のファラデー効率は0.1%程度と、非常に低いものであった。本研究成果はこの生成効率は二けた上昇させるものであり、化学産業の低炭素化に大きく貢献するものである。
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