研究領域 | 表面水素工学:スピルオーバー水素の活用と量子トンネル効果の検証 |
研究課題/領域番号 |
21H05102
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
三輪 寛子 電気通信大学, 燃料電池・水素イノベーション研究センター, 特任准教授 (90570911)
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研究分担者 |
伊藤 孝 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (10455280)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | ミュオン / 水素スピルオーバー / 触媒 / 量子効果 / オペランド測定 / 水素拡散 / スピルオーバー / 水素 / 量子トンネル効果 |
研究開始時の研究の概要 |
触媒反応中に反応物がどういった動的挙動を経て反応するかを理解することは、固体触媒上での反応を理解し、更なる高活性化への指針を得るために不可欠である。“水素のスピルオーバー現象”は新しい触媒活性を創出する可能性があることが、近年、示唆されているが、その原子レベルでの理解はほとんど進んでいないのが現状である。本研究では、水素様素粒子であるミュオンをプローブとして使った触媒反応オペランドミュオンスピン回転/緩和/共鳴法(μSR法)を開発し、この新規μSR法と表面科学的手法を相補的に用いて、水素スピルオーバーを量子トンネル効果との相関を含め原子レベルで理解することを目的とする。
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研究実績の概要 |
固体触媒上での強い金属‐担体相互作用(Strong metal-support interaction: SMSI)として“スピルオーバー現象”が知られている。これは、触媒上の吸着種が担体へと拡散していく現象であり、拡散した吸着種は、他のサイトで反応したり、担体の状態を変化させたりするなど、触媒反応特性を直接的、間接的に変化させる。水素のスピルオーバー現象がかかわると考えられる触媒反応は多く報告されているが、水素を直接測定することが困難であるため、触媒反応中の実際の水素の挙動はわかっていないため、触媒反応制御の指針をたてることが困難となっている。本研究では、“水素のスピルオーバー現象”の原子レベルでの挙動の理解を目的に、水素様素粒子であるミュオンをプローブとして使ったミュオンスピン回転/緩和/共鳴法(μSR法)を用いて、水素の拡散や電価状態、安定化サイトを原子レベルで理解することを目的としている。本年度は、計画通り、触媒反応オペランドμSR法測定のための反応セルの設計を行った。当初予定していた、ガス雰囲気での加熱に加え、水素拡散が重要な役割を果たす燃料電池材料の測定にも用いることを想定して電気化学測定も可能なセルとなっており、セルと窓材は非磁性のTiを用い、ガスケットはAuを用いることとした。セルは、クライオスタットにマウントし、数 Kから~450 Kまでの温度変化が可能となる。低温から触媒動作温度までの系統だった測定により、ミュオン(水素)の電荷や拡散速度の変化を明確にすることが目的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初の予定通り、測定セルの設計を行った。また、測定セルは当初予定していた触媒反応のみでなく、電気化学測定もできるように設計した。今後、実際、実験に用いて性能を確認する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後、本測定セルを用いて、触媒測定を進めていく。まず、既に、水素の逆スピルオーバーが反応に寄与していると考えられているゼオライトの測定をする。逆スピルオーバーは、まず触媒上で反応物の脱水素反応が進行し、水素原子は担体へ拡散し、触媒上でもう一つの水素原子と結合し水素分子として脱離する現象である。水素の電荷状態が、担体上を拡散中のどのように変化するかについて実験的な知見は乏しい。そこで、アルカンやベンゼンの脱水素カップリング反応の活性を上げる担体であることが報告されているゼオライトH-ZSM-5, H-mordeniteなどのゼロ磁場及び横磁場muSR測定を行う。そのほか、複合酸化物などの測定も行う。
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