研究領域 | 核酸構造による生物種を超えた多元応答ゲノムの機構の解明 |
研究課題/領域番号 |
21H05110
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今西 未来 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80362391)
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研究分担者 |
安喜 史織 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50747946)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)
2023年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2022年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2021年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | 核酸高次構造 / 核酸修飾 / グアニン四重鎖 / iモチーフ / RNAメチル化 / 非標準核酸構造 / 遺伝子制御 / RNAメチル化修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
生命システムにおける多元的な環境応答体としての核酸の生理機能にアプローチする。塩基配列情報を超えて核酸が呈する多元性として、「核酸高次構造を介した化学修飾とその生理機能」「核酸高次構造を介したストレス応答機構」の解明に取り組む。バイオインフォマティクスおよび物性解析に関しては領域内で連携し、ゲノムの一次配列情報にとどまらない、核酸の多元応答が生命システムの維持に重要な役割を果たすことを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
N6-メチルアデノシン(m6A)は、メッセンジャーRNAに最も多く存在する修飾塩基であり、種々の生命現象に影響を与える。本研究では、RNAメチル化酵素METTL3/METTL14ヘテロダイマーのグアニン四重鎖(G4)構造RNAに対する結合特異性およびメチル化特性を明らかにした。また、シロイヌナズナの細胞内においてG4構造およびi-モチーフ構造を可視化することに成功した。さらに、ゲノムワイドな遺伝子発現解析から、多くの遺伝子がG4構造の形成による制御を受けていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
N6-メチルアデノシン(m6A)は様々なRNA代謝に関わり、発生や分化、がん化、体内時計の制御やウイルスの生活環など種々の生命現象や疾患に影響を与える。本研究では、エピトランスクリプトーム制御におけるG4構造の関与という新たな知見と同時に、核酸高次構造の新たな機能を示す結果を得た。また、植物個体においても核酸の高次構造が存在し遺伝子制御に関わることが明らかになり、一時配列にとどまらない核酸の役割に関する基礎的な知見を得た。これらの成果は、核酸の高次機能の制御が、種々の生命現象を理解したり、創薬を行う上での新たな観点となることを示すものである。
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