研究領域 | マルチスケールな生理作用の因数分解基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
21H05115
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 毅 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (80609933)
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研究分担者 |
南雲 康行 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (00459661)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
30,030千円 (直接経費: 23,100千円、間接経費: 6,930千円)
2023年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2022年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | オピオイド受容体 / Gタンパク質共役型受容体 / シグナル伝達 / 分子設計 / κオピオイド受容体 / δオピオイド受容体 / GPCR / 作動薬 / 創薬化学 / 薬理学 |
研究開始時の研究の概要 |
領域目標の達成の鍵となるのは、開発する分析基盤の機能確認と評価、および 広範なシグナルデータ取得に共に不可欠な、高品質な入力刺激の用意である。本研究はこの入力刺激、すなわち、ターゲット受容体に結合する多様なリガンドの開発と調製を担い、モルヒナン骨格を基盤としたフォーカスドライブラリーを構築し、各計画班からのフィードバックを元に、 単一作用を選択的に惹起するリガンドの開発も目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、GPCRの生理作用に紐付くリガンドおよび受容体の構造因子を明らかにするため、κおよびδオピオイド受容体をモデル系として、モルヒナン骨格の有機合成化学的な構造変換により多様なリガンド群を構築し、それらの細胞内シグナルプロファイルおよびマウス薬理作用を解析した。その結果、特定の構造因子によりβアレスチンシグナルが変化することを見出した。また、見出したGタンパク質バイアス型KORリガンドは、in vivo評価において、鎮痛作用を示しながら鎮静作用(副作用)を顕著に低減したことから、KORにおいて副作用はβアレスチンに起因する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、オピオイド受容体を標的とする医薬における副作用のメカニズムをマルチスケールで解明し、副作用を抑えた鎮痛薬の開発に繋がる意義がある。特に、Gタンパク質バイアス型KORリガンドは、副作用を低減しつつ鎮痛効果を持続させる新しい治療法を提供する可能性があることが示された。これにより、慢性痛や癌痛などで苦しむ患者の生活の質を向上させ、医療現場での薬物治療の安全性と有効性を高めることが期待される。
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