研究領域 | 高次機能性タンパク質集合体の設計法『SPEED』の確立 |
研究課題/領域番号 |
21H05117
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄太 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (00827743)
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研究分担者 |
杉田 征彦 (杉田征彦) 京都大学, 医生物学研究所, 准教授 (00734469)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
35,490千円 (直接経費: 27,300千円、間接経費: 8,190千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | タンパク質デザイン / タンパク質工学 / バイオマテリアル / タンパク質集合体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1) 秩序だったタンパク質集合体の構築を可能とする自己組織化形成過程の制御手法を確立し、2) 構造体形成と連携した機能発現のデザインへと展開する。成果を集約し、「メゾスケール構造変化能を有する高秩序タンパク質集合体」を創出し、本領域において確立を目指す次世代タンパク質デザイン『SPEED』の学理構築へと還元する。
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研究実績の概要 |
自然界のタンパク質は精緻な相互作用を通じて高次構造体を形成し、生命活動に不可欠な機能を発現する。近年、タンパク質の「自己組織化」を活用した集合体デザイン技術が進展し、人工的なタンパク質集合体の構築が可能になっている。本研究では、当初の計画に従って秩序だったタンパク質集合体の設計方法を確立しようと試み、昨年度に作成したタンパク質パーツを基に集合体の形成に挑戦した。様々な条件検討を行ったが、当初想定していたサイズの集合体は形成を確認するには至らなかった。そのため、タンパク質パーツ内部のリンカーや接続部位の再設計を含む多くの改善策を施した。これにより部分的な改善には成功したが、目標とする集合体形成には至らなかった。そのため、本年度においては上記の検討と並行し、新たな集積デザインでの集合体形成にも着手した。この新たなデザインでは、設計した集合体の構築に成功することができた。そのため、今後はこの形成された集合体を新たな基盤とし、本研究計画である異なるタンパク質デザインとの融合(機能搭載・進化工学)を目指し研究を推進していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、研究計画の第一段階である「秩序だったタンパク質集合体の形成デザイン」が当初想定していた計画どおりにいかず難航してしまった。昨年度、構築したタンパク質パーツをもとに、秩序だった集合体形成を目指し様々な条件検討を行ったが、計画していたサイズの集合体形成に至らなかった。そのため、タンパク質パーツの集合体形成能の改善を図るため、タンパク質パーツ内のリンカー部位、接続部位、基盤となるタンパク質への変異導入など、様々な検討を行った。その結果、ある程度の改善は見られたが、当初想定していた集合体の形成は叶わなかった。また、当初計画していた機能搭載の設計も行ない、集合体の形成に寄与しないか検討を行ったが、改善には繋がらなかった。そのため、当初計画していた集合体形成デザインの構想を土台とし新しい設計にも着手したところ、デザインに即したタンパク質集合体の形成を電子顕微鏡により確認することができた。現在、この集合体についてはクライオ電子顕微鏡を用いてさらなる詳細な解析を行っている。現在、この新たなデザインにより形成されたタンパク質集合体を基盤として、当初予定していた機能搭載、また、タンパク質の進化工学への応用を可能とする設計方法を模索している。
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今後の研究の推進方策 |
新たに確立されたタンパク質集合体のデザインを基に、今後はその機能性の評価と進化工学への応用を目指し研究を推進する。まず、集合体の形成過程と条件の最適化を行うことでその基盤の構築を行う。さらに、この新しい集合体の構造の詳細な解析を継続し解明することで、どのように望みの機能を組み込むことが可能かを検討する。そして実際に機能搭載を図ることで、SPEEDプロジェクトの目標達成に向けた新たな研究方向を模索していく。当初の計画を超えるインパクトのある成果に繋げられるよう、この新しいデザインの潜在能力を最大限に活用する計画である。
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