研究領域 | 炎症性組織レジリエンスと組織障害エントロピーの統合的理解と炎症収束学の創成 |
研究課題/領域番号 |
21H05121
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平原 潔 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00707193)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
40,950千円 (直接経費: 31,500千円、間接経費: 9,450千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2021年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 炎症組織記憶 / 組織常在性記憶CD4+ T細胞 / 神経-炎症性組織レジリエンス連関 / iBALT / Proof of concept |
研究開始時の研究の概要 |
組織常在性記憶CD4+ T細胞が、肺の炎症記憶を制御し組織障害エントロピーの一端を担う細胞集団であることが示唆されるが、組織常在性記憶CD4+ T細胞の分化・維持に関する分子機構は、現在のところ全く不明である。そこで、本計画研究では、炎症記憶の制御機構を解明し、慢性気道炎症疾患の再燃や増悪のリスクを増加させる“組織障害エントロピー”の一端を明らかにするために、組織常在性記憶CD4+ T細胞の分化・維持機構に焦点をあて、1細胞レベル、クロマチンレベルおよび生体レベルの解析、患者での解析を進める。
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研究実績の概要 |
組織常在性記憶CD4+ T細胞が、肺の炎症記憶を制御し組織障害エントロピーの一端を担う細胞集団であることが示唆されるが、組織常在性記憶CD4+ T細胞の分化・維持に関する分子機構は、現在のところ全く不明である。そこで、本計画研究では、炎症記憶の制御機構を解明し、慢性気道炎症疾患の再燃や増悪のリスクを増加させる“組織障害エントロピー”の一端を明らかにするために、組織常在性記憶CD4+ T細胞の分化・維持機構に焦点をあて、1細胞レベル、クロマチンレベルおよび生体レベルの解析、患者での解析を進める。 今年度は、「神経-免疫連関」に注力して解析を進めた。その結果、組織常在性記憶T細胞が炎症性サイトカインの産生を介して末梢神経を伸長させることを見出した(Okano M et al, Immunity 2022)。さらに、組織常在性記憶T細胞が産生する神経ペプチドの一種であるCGRPが痒みを誘導することを見出した。また、新型コロナウイルス感染症について、組織中に浸潤するCD161陽性の単球が、重症患者の線維化の一端を担っていることを見出した(Iwamura C et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 2023)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(1)我々は、「神経-免疫連関」の分子機構を解析する目的で組織常在性記憶CD4+ T細胞を用いてsingle cell RNA-Seqを行った。その結果、痒みを誘導する新たな新規機能分子として、CGRPを同定し、その機能を報告した(Okano M et al, Immunity 2022)。 (2)新型コロナウイルス感染症について、患者の剖検検体について解析を行い、組織中に浸潤するCD161陽性の単球が、重症患者の線維化の一端を担っていることを見出した(Iwamura C et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 2023)。 (3)ヒト検体によるPOCの目的で、慢性好酸球性副鼻腔炎患者の検体、好酸球性食道炎患者の食道粘膜生検検体の解析を進めている。 以上、着実な研究進展が認められており、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1. 組織障害エントロピーの原因となる炎症記憶の形成機構の解明 引き続き、組織常在性記憶CD4+ T細胞が長期間にわたって肺内に常在する機能を獲得する機序の解析を行う。研究代表者が作成・入手した遺伝子“X”欠損マウス、遺伝子X-レポーターマウスを用いて、FACS、多重染色法と共焦点レーザー顕微鏡、conventional RNA-Seqを行う。さらに、遺伝子Xの網羅的な遺伝子結合様式及びそれに伴うクロマチン修飾の変化を各種ChIP-Seq、ATAC-Seqを組み合わせて解析し、組織常在性記憶CD4+ T細胞のレギュロームマップを作成する。また、組織常在性記憶CD4+ T細胞の組織障害エントロピーを規定する新規機能分子を同定する目的で、single cell RNA-Seqによる1細胞レベルでの網羅的遺伝子発現解析を行う。
2.炎症記憶の一種としての異所性リンパ組織の形成機構の解明 組織常在性記憶CD4+ T細胞の炎症局所での維持に重要な異所性リンパ組織における細胞集団について“mCherry niche法”を用いて探索し、同細胞集団を少なくとも1種類は同定する。
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