研究領域 | プレッシオ脳神経科学の創生:閉鎖空間における圧縮刺激を介した脳機能の発現原理 |
研究課題/領域番号 |
21H05127
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
平田 宏聡 金沢工業大学, バイオ・化学部, 教授 (90414028)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
29,900千円 (直接経費: 23,000千円、間接経費: 6,900千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2021年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | メカノバイオロジー / 腫瘍細胞塊 / 三次元培養 / スフェロイド / 細胞増殖 / 力学相互作用 / アドヘレンスジャンクション / 力学刺激 / グリオーマ / 圧縮刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
頭蓋内という閉鎖空間における脳腫瘍の形成・発達は、頭蓋内圧の上昇と隣接組織の圧迫を引き起こし、反作用として腫瘍組織そのものに圧縮力を生じさせる。「細胞間接着構造にかかる引張力が細胞増殖を抑制する」という研究代表者のこれまでの発見から、脳腫瘍への圧縮力負荷は細胞間側方圧を上昇させることで腫瘍細胞の増殖を促進すると想像される。本研究では、三次元培養した脳腫瘍細胞塊に加わる圧縮力の測定、操作法を開発するとともに、圧縮力が腫瘍細胞の振る舞いにおよぼす効果およびその分子機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
がん細胞の増殖が隣接細胞間の力のやり取りによって制御されることが2次元培養系での研究で報告されている。しかし、3次元組織中での腫瘍と周囲組織との力学相互作用の実態と、それが腫瘍細胞の増殖に及ぼす影響は不明であった。本研究では、3次元細胞外基質中において、成長過程のがん細胞塊と周囲の細胞外基質との力学相互作用の可視化定量に成功した。細胞外基質中で成長し体積を増大させているがん細胞塊は、周囲の基質を押すのではなく引き寄せ続けているという予想外の結果を得た。この細胞外基質の牽引にはミオシンによる力発生が関与していることが示唆され、これを阻害することでがん細胞塊の成長が抑制されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、3次元環境でのがん細胞塊とそれを取り囲む細胞外基質との間の予想外の力学相互作用を明らかにすることができた。この力学相互作用ががん細胞塊の成長に関わっていることを示唆する結果も得られたことから、今後、力学相互作用を調節/操作する手法を開発することでがんの新規抑制・治療法の開発へつながることが期待される。
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