研究領域 | ポストリソソーム生物学:分解の場から始まる高次生命現象の理解 |
研究課題/領域番号 |
21H05146
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西村 多喜 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任講師 (70552991)
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研究分担者 |
大場 陽介 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (90968603)
永沼 達郎 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (60779619)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
33,150千円 (直接経費: 25,500千円、間接経費: 7,650千円)
2023年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | ポストリソソーム / 脂質 / オートファジー / リソソーム / 寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、リソソームからの脂質供給を促進させたモデル生物の作製とリピドミクス解析を組み合わせることで、リソソーム由来の脂質代謝産物の中から寿命制御に関与する脂質因子同定に取り組む研究である。また並行して、リソソーム膜上に存在するホスファチジルイノシトールリン脂質を高感度に認識する脂質プローブ開発にも取り組み、加齢によるリソソーム膜の脂質組成変化やその寿命・老化との関連を解析する研究である。
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研究成果の概要 |
本計画研究ではリソソームで分解された脂質代謝産物やリソソーム膜脂質の中から、リソソームを起点とした寿命制御シグナルの責任因子を明らかにすることに取り組んだ。リソソームからの脂質供給を促進させた脊椎動物モデル生物キリフィッシュ、および培養細胞系を構築した。これらの網羅的なリピドミクス解析と電子顕微鏡を用いた形態観察から、リソソームからの脂質供給を促進させることで、肝臓の脂質代謝が劇的に変化するだけでなく、キリフィッシュの寿命が延伸することを明らかにした。また今後のポストリソソームシグナルの研究において、非常に有用な解析ツールになり得る新たな脂質プローブの作製にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題を通して、線虫などの無脊椎動物を用いた研究から見出されたリソソームを起点とする脂質分解依存的な寿命制御シグナルが、キリフィッシュなどの脊椎動物にも保存されていることが分かってきた。さらに、関連する脂質代謝産物は線虫とキリフィッシュでは一部異なっており、寿命制御に関わる未知の脂質代謝シグナル経路が存在する可能性が考えられた。本研究はまだ萌芽的なステージではあるものの、学術的に新たな脂質研究分野、および寿命研究分野の創成に繋がる興味深い知見であるとともに、超高齢化社会という喫緊の課題の解決の糸口にもなり得る研究成果であると考えられる。
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