研究領域 | 植物と微生物の共創による超個体の覚醒 |
研究課題/領域番号 |
21H05152
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 石川県立大学 (2023) 奈良先端科学技術大学院大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
宮島 俊介 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (20727169)
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研究分担者 |
戸田 陽介 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 招へい教員 (00808264)
杉田 亮平 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 講師 (60724747)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
52,390千円 (直接経費: 40,300千円、間接経費: 12,090千円)
2023年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
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キーワード | 植物微生物相互作用 / 植物超個体 / ライブイメージング / RIイメージング / 画像データ解析 / 生体イメージング / 植物表現型定量技術 / 超個体 |
研究開始時の研究の概要 |
野外環境において植物は、多様な微生物と共存する拡張された個体「超個体」を構築し、高い環境適応能力を獲得する。この過程において、植物は、葉圏・根圏での局所的な微生物情報を個体全体で統合し、地上部-地下部の器官機能を連動させると考えられるが、この部分-全体での動的な植物応答を体系的に理解する実験系は未だ確立されていない。本研究では、植物-微生物相互作用、地上-地下物質輸送、器官成長といった「植物と微生物の超個体化」を読み解く鍵となる現象を、時系列を追って包括的かつ高解像度で可視化する研究プラットフォーム「超個体イメージャー」を構築し、本研究領域の掲げる「植物超個体機能学」の推進に貢献する。
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研究実績の概要 |
植物は微生物との共存を通じて、拡張された超個体を構築し、自らの環境適応能力を向上させている。この植物と微生物との動的な相互作用および、植物生理機能の変化を定量的に検出する実験系は未だ確立されていない。本計画研究では、研究グループ内の研究者が有する異なる技術を統合し、この植物超個体化現象を、多面的な手法から可視化する「超個体イメージャー」の構築をおこなう。その上で、領域内研究者との共同研究を通じ、葉圏および根圏での植物微生物の超個体化を可視化し、本研究領域の掲げる「植物超個体機能学」の推進に貢献する。 2021年度の計画では、「蛍光イメージングによる植物と微生物の動態観察」、「RIイメージングによる植物の物質輸送の可視化」、さらには、「気孔開閉の自動検出技術の開発」、という3つの要素技術の構築を目指した取り組みを行ってきた。 まず植物と微生物の動態観察に関しては、人工的な土壌環境の下、シロイヌナズナの根と微生物を生育させ、非破壊的に根および土壌微生物の動態観察を行える観察ディバイスを構築した。それを用いて、蛍光イメージングにより、根と微生物との相互作用を観察することに成功した。 また、RIイメージング技術に関しては、炭素14を用い、地上部から地下部への炭素の移動を、またリン32を用いた根から地上部への物質輸送の動態を可視化する技術を確立した。 また、地上部組織での微生物との相互作用の場である気孔に対して、シロイヌナズナを用い気孔の開閉を自動検出する画像データ解析技術の構築のための、学習データの収集を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超個体イメージャーの確立には、蛍光イメージング、RIイメージングという異なるイメージング技術、さらには取得された画像データの自動解析のための技術開発が必要である。2021年度では、研究代表者、および2名の研究分担者が、それぞれ要素技術の構築を行っており、おおむね順調にそれら技術の構築が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度においては、蛍光およびRIイメージングの双方に利用可能な観察ディバイスの構築を目指し、根圏での根と微生物との相互作用動態およびそれによる土壌栄養素の取り込み変化の可視化を目指す。また、気孔開閉を自動定量化技術の構築し、微生物による気孔開閉への効果を検証する実験を行っていく。
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