研究領域 | メガダルトン生命機能深化ダイナミクス |
研究課題/領域番号 |
21H05154
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
野澤 佳世 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (10808554)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
33,150千円 (直接経費: 25,500千円、間接経費: 7,650千円)
2023年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2022年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2021年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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キーワード | クライオ電子顕微鏡解析 / クロマチン構造 / RNAポリメラーゼII / 遺伝子発現制御 / メガダルトン複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
エンハンサーDNAからの遺伝子活性化シグナルは、数キロから 1 Mbpもの長鎖DNAを経てプロモーターDNAへと伝わり、この情報伝達は2つのDNA領域が物理的に近接してDNAループ構造を作ることによって行われている。本研究では、DNAループを試験管内で再構成し、その転写活性化機能を評価するとともに、クライオ電子顕微鏡解析を行う。一方、細胞核には、ラミン・タンパク質が網目構造を形成し、DNAやヒストンと直接相互作用することで、核膜にゲノムを連結している。本研究では、研究計画B01が作成した人工膜内に、DNAループ複合体とラミンを包埋することで、膜局在化したゲノム構造を再現したいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では、試験管内再構成系を用いて、DNAループを構成するコヒーシン・タンパク質が転写に与える影響を評価した。また、クロマチンの単位であるヌクレオソームとコヒーシンの複合体の複合体について、クライオ電子顕微鏡解析に取り組んだ。また、本課題で用いたヌクレオソーム再構成技術を用いて、新規のクロマチンユニットであるH3-H4オクタソームのクライオ電子顕微鏡単粒子解析を行い、筆頭著者として学術雑誌PNAS誌に報告することができた。加えて融合研究では、クライオ電子顕微鏡解析に特化した、人工細胞作製技術を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、DNAループの異常が各種のガンに関係していることが報告され、中でもガン原遺伝子の上流で多数のDNAループがクラスターを作るスーパーエンハンサー構造の解明が待たれているが、本研究はその解明にも大きく貢献すると考えられる。加えて、融合研究で構築する人工細胞可視化システムでは、細胞内容物のバックグラウンドが全くない状態で、核膜に裏打ちされたゲノム構造を解明することができる。これまで核膜の構造がDNAループの転写活性化機構に与える影響は全く明らかになっていないため、本研究を通じて早老症などの遺伝子疾患に関しても新たな知見が得られる可能性がある。
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