研究領域 | 時空間的な多因子間相互作用の理解による転写ユニティー機構の解明 |
研究課題/領域番号 |
21H05160
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二村 圭祐 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00462713)
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研究分担者 |
粕川 雄也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (10304031)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
53,040千円 (直接経費: 40,800千円、間接経費: 12,240千円)
2023年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
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キーワード | 多因子間相互作用 / 転写ユニティー / 遺伝子発現制御 / 遺伝子発現 / 転写ユニティー機構 / 分子間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞の遺伝子発現制御には多種多様なタンパク質や核酸の精緻な多因子間相互作用が必須である。そのため、タンパク質間の相互作用によって形成される複合体解析が行われてきた。しかし、これまでの手法では 多因子の間で生じる複雑な相互作用を空間的かつ定量的に解析することは困難である。そこで、本研究では、この複雑な多因子間相互作用を解析するために、複数の因子間の相互作用を空間的かつ定量的に解析する手法を開発する。この手法を開発することで、タンパク質、DNA、RNAによる多因子間相互作用によって形成される転写ユニティー機構を空間的かつ定量的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
遺伝子発現は多数のタンパク質が複雑に相互作用した複合体によって制御される。そのため、遺伝子発現制御のメカニズムを解明していくためには、このような多因子間で形成される相互作用を検出するシステムを構築することが必要である。現在、B細胞をモデルに多因子間相互作用の検出法の開発を進めている。この方法はDNAバーコードを付加した抗体で細胞を反応させた後にポリマー中に細胞を封入し、PCR反応を行うものである。これまでの検討から、RNAポリメラーゼIIを中心とする10種類以上の転写制御因子が形成する多因子間相互作用を検出することができた。しかし、その解析の中から、DNAバーコード配列の改善がより精緻に相互作用を検出するために必要であることが示唆され、その配列の改善を行った。DNA配列の変更に伴い、PCR反応の条件を変更することが必要になり、その条件検討を詳細に行い、現在改良された条件でライブラリーの構築を進めている。また、腫瘍の増殖を制御する転写制御機構の解明研究も進めた。スプライシング制御因子SF3B2がクロマチンに結合し、CTCFのクロマチンへのローディングを制御し、転写活性化の制御に関わることを見出した。その研究成果を論文として発表することができた。さらに腫瘍増殖を抑制する転写因子の標的因子を同定し、その標的因子の作用機序の解明を進めている。これらの研究によって、転写制御因子が形成する多因子間相互作用によって遺伝子発現が制御される機序を解明する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多因子間相互作用検出法の開発を進めている。予期せぬ問題が生じたものの、方法の改良を進めている。また、腫瘍増殖を制御する転写制御機構の解明研究の成果を論文として発表することができた。そのため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、転写制御因子が形成する多因子間相互作用を解析するシステムの開発を進める。さらに、腫瘍増殖を制御する転写制御機構の解明を進め、腫瘍増殖を抑制し得る転写制御ネットワークを同定する。この転写制御ネットワークを多因子間相互作用解析システムにより評価することで、タンパク質、DNA、RNAによる多因子間相互作用によって形成される転写ユニティー機構を空間的かつ定量的に明らかする。
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