研究領域 | 脳神経マルチセルラバイオコンピューティング |
研究課題/領域番号 |
21H05163
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
香取 勇一 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (20557607)
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研究分担者 |
加藤 秀行 大分大学, 理工学部, 講師 (00733510)
徳田 慶太 順天堂大学, 健康データサイエンス学部, 講師 (50762176)
保坂 亮介 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (80569210)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
27,300千円 (直接経費: 21,000千円、間接経費: 6,300千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | レザバー計算 / ニューラルネットワーク / 計算論的神経科学 / 感覚情報処理 / 運動制御 / 脳型人工知能 / マルチセルラバイオコンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
生体実験と情報科学を深く統合し,頑健性・柔軟性を持つ情報処理のダイナミクスを明らかにする「マルチセルラバイオコンピューティング」の確立を目指す。特に多細胞神経活動データ解析の手法を整備した上で,生物の大脳皮質から得られる神経活動データに適用し,大脳皮質の視覚野・運動野の神経回路網が持つダイナミクスと機能の特性を明らかにする.また培養系神経ネットワークで観測される特性を取り込んだ数理モデルを構築し,そのダイナミクスと情報処理の特性を明らかにする.さらに自発活動に基づく内部状態表現を組み込んだ情報処理機構を構築するとともに、効率的なハードウェア実装を念頭に置いた情報処理モデルを構築する.
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研究実績の概要 |
2022年度の研究は順調に進行し,多くの成果を得ることができた. 特にレザバー計算の枠組みを拡張したネットワークモデルの構築は,昨年度から解析を進めてきたレートモデルに加え,スパイキングニューロンモデルを使った多面的な解析を進めることができた. まず環境からの報酬に基づく学習を含む強化学習とレザバー計算を組み合わせたネットワークモデルの解析を実施した.このモデルをロボットシミュレータ環境で評価し,適切な行動を学習することを確認した.また,相互接続の強度,非線形素子の時定数,記憶容量(タスク成功率)との関係を明らかにし,タスクに応じたレザバーの明確な設計指針を確立した.この短期記憶は,部分的に観測可能なマルコフ決定過程(POMDP)環境でその効果を発揮する.また強化学習と予測符号化を組み合わせた統合レザバー情報処理モデルを構築した.このモデルは,強化学習タスクに適用可能であることに加え,予測符号化によって環境変化を予測することでメンタルシミュレーションを実現する.感覚情報処理と運動生成を統合するメンタルシミュレーションにより実現される行動計画の機能を検討した.実環境で経験したことのない目標状態であっても,シミュレーションにおける行動計画に基づいて,実環境で目標状態に到達する行動をとることを示した. さらに神経培養系での情報処理の解析基盤を構築するため,スパイキングニューロンをベースにしたネットワークモデルを実装した.このモデルを用いて神経培養系におけるレザバー計算の性能評価を進めた.数値シミュレーションの結果から,モジュール構造や抑制性細胞の重要性が明らかになった.この解析結果により,神経培養系の情報処理構築の設計指針が明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々なネットワークモデルを構築し,その有効性を確認することが出来た.またスパイキングニューロンモデルによる検証も進めることができたため,研究は順調に進展しているといえる.今後の課題は,実問題・実応用に含まれる問題の複雑さ難しさに対応するための詳細な検証となる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,これまでに構築した各種情報処理モデルの深化に加えて,構築した計算機構を培養神経回路へ実装するための検証を発展させる必要である.さらに生体時系列の解析手法を用いて、神経培養系などの生体から得られる多次元時系列データの解析,それ踏まえた数値シミュレーションにより,実験条件の設定にフィードバックする知見を得る必要がある.
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