研究領域 | あいまい環境に対峙する脳・生命体の情報獲得戦略の解明 |
研究課題/領域番号 |
21H05168
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (60455334)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
48,620千円 (直接経費: 37,400千円、間接経費: 11,220千円)
2023年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2022年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2021年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
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キーワード | 予測符号化 / 自由エネルギー原理 / 予測誤差 / 神経回路 / 階層性 / イメージング / 限定合理性 / 数理モデル / バーチャルリアリティー / 光遺伝学 / 状態空間モデル / 一般化線形モデル / 高次視覚野 / VR / 細胞 / Granger causality / 内部モデル / ベイズ推定 / 知覚 / 視覚運動誤差 / AAV / wide-field imaging / 全脳イメージング / バーチャル・リアリティー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「視覚と運動の情報はどのような神経回路により統合され、行動を正しく導くのか?」を明らかにする。同問題を計算論的に理解する枠組みとして「予測符号化」を自由エネルギー原理の立場から理解し、Virtual Reality内のマウスに独自開発したウイルス遺伝子工学と光学的手法を適用することで、予測と実際の感覚入力とのずれである「予測誤差」の脳内表現、「予測誤差ニューロン」の同定、その回路構造および情報処理機構を理解し、実際の神経回路における予測符号化の生物学的基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ヒトなどの動物は、感覚情報や過去の経験を用いて環境の状態を推定し、外界環境に能動的かつ柔軟に適応する。脳は入力される刺激を予測する内部モデルを構成し、それによる予測と実際に入力された感覚信号を比較し、両者のずれである予測誤差の計算に基づいて、知覚や認知機能を創発する。この考えは予測符号化理論にて定式化されているが、脳内でどのように実装されているかは不明である。本研究では、予測符号化理論の脳内実装を明らかにすることを目的とした。我々は、VR技術に、ウイルスベクター技術、光学技術、電気生理学的手法、数理モデルを組み合わせることで、予測符号化を担う階層的な神経回路構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、予測符号化の計算理論、アルゴリズム、脳内実装が明らかになった。予測符号化は知覚や感覚運動連関の理解のみならず、神経疾患や精神疾患を予測と観察のバランス異常として捉えることができる。本研究により、神経疾患や精神疾患の診断法や新たな治療戦略の創出に貢献できると期待される。
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