研究領域 | 超温度場材料創成学:巨大ポテンシャル勾配による原子配列制御が拓くネオ3Dプリント |
研究課題/領域番号 |
21H05194
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
足立 吉隆 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90370311)
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研究分担者 |
山中 晃徳 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50542198)
小川 登志男 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (10708910)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
84,890千円 (直接経費: 65,300千円、間接経費: 19,590千円)
2024年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2023年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2022年度: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2021年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
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キーワード | マテリアルDX / マテリアルインフォマティクス / データ同化 / データサイエンス / 畳み込みニューラルネットワーク / 階層組織 / 記述子 / 非平衡フェーズフィールド法 / 敵対的生成ネットワーク / 深層学主 / SliceGAN / 敵対定期生成ネットワーク / 変調構造 / 走査透過型電子顕微鏡 / 積層造形 / マテリアルズインフォマティクス / 順・逆解析 / 超温度場 / 三次元構造 / データベース / 画像認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画研究では、材料インフォマティクスを用いて、実験研究とシミュレーション研究の橋渡しをする。具体的には、大別して2つのミッションをもつ。 順・逆解析:「所望の特性を発現する結晶組織」、「その組織を創成するプロセス条件」の導出を可能とし、その法則の背後にある物理を解明する。 データ同化:第二の役割は、熱流体力学(CtFD)シミュレーションやフェーズフィールド(PF)シミュレーションで必要となる易動度や界面エネルギー等の物性値パラメータをアジョイント法などのデータ同化手法を用いて効率的に決定する。 3D観察:組織の特徴量を3D監察結果に基づき定量評価する。
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研究実績の概要 |
積層造形310Lステンレス鋼を対象に、前年度発見した「変調構造」をさらに詳細に高分解能観察を行い、変調構造が様々なバーガースベクトルを持った転位で構成されることをフーリエ変換(FFT)-逆フーリエ変換(IFFT)解析を通して明らかにした。その変調構造は約25nm間隔で生成していること、組成の偏析は伴わないことも確認した。この変調構造はレーザー走査方向に平行に生成していた。 敵対的生成ネットワークSliceGANを使った超効率的グレースケール組織画像の再構築に成功した前年度の成果を基に、三次元像のもとになる二次元像の選択範囲(cropサイズ)を64->128ピクセルに変更し、それに適したSliceGANの生成器、識別器を新たに設計して、積層造形310L鋼の超効率的・高精度グレースケール組織像の再構築に成功した。併せて、そのバーチャル三次元像の精度評価をauto correlation法、輝度値の分布解析、組織中の特定部位(CLM)の長さ評価を通して行い、実画像、従来モデル、本研究で構築したモデルの精度を比較し、実画像の精度までには達していないが、従来モデルよりも高精度でグレースケール画像が生成していることを確認した。 フェーズフィールド法を用いて, SUS316Lステンレス鋼の積層造形時の凝固組織形成を再現・予測する数値シミュレーション方法を構築するために, 2022年度はThermo-calcによる熱力学データの計算結果を訓練データとしてニューラルネットワークを学習させ, フェーズフィールドシミュレーションに必要な熱力学データ計算のサロゲートモデルを構築した. さらに, サロゲートモデルをフェーズフィールドシミュレーションに直接組み込み, 巨大冷却速度および巨大温度勾配を再現した状況でのFe-C-Cr-Mn-Mo-Ni 合金における凝固組織形成の数値シミュレーションを行った. 研究成果は, Mater. Trans.誌に学術論文として採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究で発見した温度勾配が著しく大きい超温度場下で凝固した積層造形310Lステンレス鋼中の「変調構造」の高度な解析の結果、様々なバーガースベクトルを持った転位で構成されていることが判明した。超温度場下で生成する凝固法に伸長した柱状晶のセル構造がほぼ同じ結晶方位を持つ(ほぼ単結晶化している)メカニズム解明につながる可能性がある成果と考えている。 ほとんどの材料組織画像はグレースケールであり、その三次元再構築を超加速するSliceGANが適用できることを前年度報告したが、その再現精度に課題が残った。本年度はそれを克服するために、学習二次元画像のcropサイズを拡大し、またそれに適したSliceGAN構造を構築し、従来モデルを上回る精度のフェイク三次元像を生成できる「Big-volume SliceGANモデル」を構築した。この成果は他分野にも広く展開できる画期的な三次元組織再構築手法と言える。 非平衡フェーズフィールド法では、計算速度のボトルネックになっていた熱力学データの読み込み過程を高速化するためにニューラルネットワークによる学習機能を追加して連動させ高効率に超温度場下での凝固組織をシミュレーションできる包括的手法を構築した。この手法は他分野にも広く応用でき、フェーズフィールド法の新たな展開につながるものと期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
積層造形条件(レーザーパワー、走査速度)によって変調構造がどのように変化するのかを確認するとともに、有限要素法を使って積層条件下での溶融地境界内の内部応力を推定して、変調構造による塑性緩和機構を検討する。 高精度グレースケール画像を基に、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で強度・硬度を推定する機械学習も出の構築を進める予定である。 熱力学データの機械学習読み込み機能を加えた非平衡フェーズフィールド法を使って、超温度場下での三次元凝固組織のシミュレーションを行う。同時に、Big-volume SliceGANで最高しくした三次元像と比較して、フェーズフィールド法の精度を高めるデータ同化に取り組む。
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