研究領域 | デジタル化による高度精密有機合成の新展開 |
研究課題/領域番号 |
21H05219
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
矢島 知子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10302994)
|
研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
29,380千円 (直接経費: 22,600千円、間接経費: 6,780千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
|
キーワード | 可視光反応 / フロー合成 / ペルフルオロアルキル化 / ペルフルオロアルキル / メタルフリー / フッ素 |
研究開始時の研究の概要 |
光反応は、温和でクリーンな反応で生成物を得られる手法として注目を浴びており、盛んに研究がなされている。また、大量合成に向けた、フロー合成手法の確立も重要な課題である。しかし反応の最適化には、触媒、溶媒、流速等の多くのパラメータがあり、そのより効率的な最適化方法の確立が望まれる。本研究では、この最適化にAIによる手法を取り入れることを考えた。そこで、一度に多くのデータの取得が可能なインライン分析を取り入れ、デジタル制御に向けた反応リアクターの開発を行う
|
研究実績の概要 |
高効率的な光ラジカル反応の開発手法の確立を目指し、フロー反応リアクターの開発を行い、モジュール化することにより、これまでバッチで行われてきた反応が容易にフローへと変換可能とすることを目指す本研究は、昨年度に構築した光フローシステムを用いて、アルデヒドエナミンへの反応の詳細な検討を継続し、ケトンエナミンへの反応開発を開始した。アルデヒドエナミンの反応については、昨年までに見出していたモデル反応を、様々な基質・ラジカル前駆体に適用し、その適用範囲の拡大を図った。また、フロー出口からの粗生成物をそのまま還元することによるアミンの合成に展開した。 ケトンへの反応については、これまでバッチ反応では脱HFが進行したフルオロオレフィンのみが得られていた反応をフロー合成を適用することによりフルオロアルキル化生成物を得ることができた。この反応については、ベイズ最適化の手法を用いて反応条件の最適化に取り組んだ。また、ベイズ最適化については、バッチ反応を用いたその妥当性の検討についても検討を行った。 これらの反応について、MS,NMRなどの分析手法を用いて、その反応機構を明らかにした。さらに、ガス状の化合物であるヨウ化トリフルオロメチルを用いたトリフルオロメチル化反応への展開、そのIRによるインライン分析を見据えた予備実験を行った。まずは紫外光によるデセンとのヨウ化ペルフルオロアルキル化について検討を行い、マスフローコントローラによるヨウ化ペルフルオロアルキルの流量の制御、溶解度の確認、IRでの分析方法の検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
可視光反応のフロー合成への展開について、順調に成果が上がっており、学会での報告などを行うことができた。また、今後の展開に重要な知見も得られており、計画通り、もしくはそれ以上の成果が期待できる状態である。
|
今後の研究の推進方策 |
可視光反応のフロー化、新規反応の発見等順調に進行している。今後も、これまでに得られた知見を基に粛々と研究を遂行していく。特に、ガス状化合物であるヨウ化トリフルオロメチルを用いた反応のフロー合成への適用、インライン分析についても、流量のコントロール、ガス状化合物と反応系との混ざりなどが問題であることが分かったので、ミキサーの検討などを行い、実現していく。
|