研究領域 | デジタル化による高度精密有機合成の新展開 |
研究課題/領域番号 |
21H05224
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
矢田 陽 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (70619965)
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研究分担者 |
椿 真史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80803874)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
47,320千円 (直接経費: 36,400千円、間接経費: 10,920千円)
2024年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2023年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2021年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 有機合成 / 触媒設計 / 機械学習 / 逆解析 / 予測モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、革新反応開発を超加速化するための触媒設計技術を実験化学者が利活用しやすい形で提供することを目標とし、触媒自動設計システムを開発する。具体的には、①データ駆動型分子記述子の生成と回帰モデルの構築、②回帰モデルの逆解析による特徴ベクトルの生成、③触媒構造の生成モデル構築、④合成経路設計技術による候補触媒の合成可能性の判断、の4つの研究開発により各要素技術を確立し、それらをシームレスにつなぎ合わせた情報科学駆動型触媒自動設計システムを開発する。また、本自動設計システムの稼働・性能検証や、実験化学者向けのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の開発などにも取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、革新反応開発を超加速化するための触媒設計技術を実験化学者が利活用しやすい形で提供することを目標とし、触媒自動設計システムを開発する。具体的には、(1)データ駆動型分子記述子の生成と回帰モデルの構築、(2)回帰モデルの逆解析による特徴ベクトルの生成、(3)触媒構造の生成モデル構築、(4)合成経路設計技術による候補触媒の合成可能性の判断、の4つの研究開発により各要素技術を確立し、それらをシームレスにつなぎ合わせた情報科学駆動型触媒自動設計システムの開発に取り組むものである。また、本自動設計システムの稼働・性能検証や、実験化学者向けのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の開発などにも取り組む。 昨年度は量子化学計算によるデータ生成の自動化・効率化を目指した計算ワークフローの構築に取り組んだ。今年度はこのワークフローによって、触媒反応の配位子として利用されるリン化合物の計算を実施した。その結果、約2000件の量子化学計算データの取得に成功した。また、これらのデータを活用しやすくするためにデータベースの構築およびGUIの開発を行なった。具体的には、CAS番号やSMILESによるデータ検索、化合物構造表示、ダウンロードなどの機能を付与したGUIを構築した。今後は、量子化学計算データから取得した各種パラメータの保存や自動取得機能の付与などの検討を進めていく予定である。 また昨年度に続き、本領域内の他計画班および公募班との共同研究にも精力的に取り組んだ。具体的には、A01班大嶋グループ、三浦グループ、清水グループとの共同研究を実施した。触媒設計のためのベイズ最適化プログラムの実装を行い、不斉触媒反応の配位子設計や炭素-窒素結合形成反応の触媒最適化に関する研究開発を推進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度開発したデータセットの拡張の自動化・効率化を目指したワークフローにより、今年度はデータベースの構築やデータセットの拡張に成功した。今年度の進捗は、本研究開発の最終目標である情報科学駆動型触媒自動設計システムの構築において極めて重要なものと位置付けられる。今年度の成果をもとにデータ駆動型分子記述子の開発が可能になり、また化合物潜在空間構築(次年度取り組み予定)が図れると共に、触媒自動設計システム構築の実現が近づくものと期待でき、さらには今後の領域研究でも大いに活用できるものであると考えている。また今年度は、領域内の他の計画班との共同研究も実施するなど、精力的に研究開発に取り組むことができた。次年度以降の論文化につながる成果等が着実に得られている。以上のことから、「概ね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、データ駆動型分子記述子の開発と化合物潜在空間の構築に関する研究開発を進める予定である。化合物潜在空間を構築することで、触媒のマッピングが可能となるとともにデータ科学的に類似している触媒を可視化することが可能になる。また、触媒分子構造の自動生成技術を用いて新規な触媒構造を提案させた場合に、触媒類似性を見ることで活性予測にもつながると期待している。これらと最適化アルゴリズムであるベイズ最適化やガウス回帰過程等のアルゴリズムを活用していくことで、所望する性能を発揮する触媒を迅速に開発できると期待している。また、領域内計画班および公募班との共同研究を引き続き進めていく。それぞれの共同研究先にベイズ最適化や触媒構造自動設計等の機械学習プログラムの提供することも検討していく予定である。
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