研究領域 | 神経回路センサスに基づく適応機能の構築と遷移バイオメカニズム |
研究課題/領域番号 |
21H05242
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
礒村 宜和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00415077)
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研究分担者 |
佐藤 暢哉 関西学院大学, 文学部, 教授 (70465269)
苅部 冬紀 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60312279)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
112,710千円 (直接経費: 86,700千円、間接経費: 26,010千円)
2024年度: 23,400千円 (直接経費: 18,000千円、間接経費: 5,400千円)
2023年度: 23,140千円 (直接経費: 17,800千円、間接経費: 5,340千円)
2022年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2021年度: 26,650千円 (直接経費: 20,500千円、間接経費: 6,150千円)
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キーワード | オペラント学習 / ラット / 大脳皮質 / 大脳基底核 / トランスクリプトーム / げっ歯類 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画研究では、ラットのオペラント学習に関与する大脳皮質のPT型・IT型投射細胞や大脳基底核線条体の直接路・間接路投射細胞に注目し、傍細胞記録やマルチユニット記録や2光子イメージングに単一細胞RNA-seq解析と理論的考証を組み合わせて、オペラント学習に伴う適応回路動態の仕組みを理解する。さらに、幅広いオペラント学習の行動解析を進めるとともに、大脳皮質-基底核の適応回路を支えるシナプス機能や可塑性の仕組みも解明する。
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研究実績の概要 |
本計画では、げっ歯類の行動を最適化するオペラント学習を担う大脳皮質と大脳基底核の適応回路動態の仕組みを解明することを目指す。オペラント学習に関与する大脳皮質のPT型・IT型投射細胞と、それらの投射先である大脳基底核線条体の直接路・間接路投射細胞に注目し、マルチユニット記録や2光子イメージングで神経活動を計測した後に、単一細胞RNA-seq解析で各細胞の遺伝子発現プロファイルを決定し、適応回路の構成細胞の固有特性を明らかにする。その責任回路の因果性を光遺伝学的に検証したうえで理論的モデルにより作動原理を理解する。また幅広いオペラント学習の行動解析をおこなうとともに、大脳皮質-基底核の適応回路を支えるシナプス機能や可塑性の仕組みも解明する。 本年度は、礒村(研究代表者)はラットが前肢でのレバー操作により報酬の水滴を得るオペラント学習課題を遂行中に、大脳皮質や大脳基底核における神経細胞のスパイク活動を電気生理学的に計測した。報酬期待による大脳基底核の行動関連活動の促進作用に関する論文を発表した(Rios, 2023)。現在、2光子レーザー顕微鏡によるカルシウムイメージングとトランスクリプトーム解析を組み合わせる実験系の構築を試みている(研究協力者:平理一郎)。佐藤(分担者)はげっ歯類に援助行動やナビゲーション行動や触覚弁別行動に関するオペラント学習課題を課し、堀江班と連携で学習前後で発現が変化する遺伝子の候補を特定し,引き続きその発現解析を進めているところである。苅部(分担者)はホールセルパッチ記録と形態学的可視化を組み合わせて、ラットの大脳基底核の線条体や淡蒼球の神経回路および視床-基底核投射に関して神経細胞サブタイプの構成とシナプス機能の特性を明らかにし、また一細胞レベルの空間トランスクリプトーム解析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は礒村(研究代表者)、佐藤(分担者)、苅部(分担者)ともに当初の研究構想に沿って行動実験系、電気生理学的、形態学的実験系を構築し、実際の実験データの取得を開始した。それぞれ興味深い予備的所見を得つつあり、研究計画はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、礒村(研究代表者)はラット・マウスの大脳皮質(特に前頭前野のIT型・PT型投射細胞)からオペラント学習課題の行動や報酬の予測や応答に関連するスパイク活動データを収集する行動生理学実験を継続する。大脳皮質の神経細胞にCAMPARIを発現させておき、光照射で活動細胞を蛍光ラベルして1細胞トランスクリプトーム解析を施す実験系の確立に努める。また、腹側被蓋野のドーパミン細胞のトランスクリプトーム解析も開始する。佐藤(分担者)は開発した行動課題の学習過程に関連した遺伝子の候補について、その発現量の検討を進める。さらに、in situハイブリダイゼーション法により、当該遺伝子の発現の分布を調べる。苅部(分担者)はラットの大脳皮質や大脳基底核のスライス標本をもちいて、ホールセル記録により細胞種特異的なシナプス結合とその機能を解析する。また、経シナプス性のウイルスベクターを用いて、その神経回路を明らかにする。さらに、空間トランスクリプトームを含む単一細胞RNA-seq解析により、細胞種特異的な遺伝子発現と局所回路の関係を検討する。いずれも堀江班や郷班と連携したトランスクリプトーム解析を実現するための実験技術上の予備的検討を含めて実施する。
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