研究領域 | クロススケール新生物学 |
研究課題/領域番号 |
21H05252
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水上 進 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30420433)
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研究分担者 |
藤原 敬宏 京都大学, 高等研究院, 特定准教授 (80423060)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
91,780千円 (直接経費: 70,600千円、間接経費: 21,180千円)
2024年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 24,310千円 (直接経費: 18,700千円、間接経費: 5,610千円)
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キーワード | クロススケール / マルチ計測 / 1分子超解像イメージング / 細胞内標識 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、高機能性プローブ開発と先端光学技術を組み合わせることにより、細胞内分子・構造体を様々な空間・時間スケールで可視化するための基盤技術を開発する。具体的には、化学プローブ設計による細胞内分子および化学環境の可視化技術、汎用可能な細胞内分子修飾プラットフォーム技術、1分子超解像ライブイメージング技術、の三つを開発する。いずれの技術も領域内の各班に提供し、共同研究により細胞内分子および構造体の機能・構造・動態の相関を明らかにする。
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研究実績の概要 |
課題①の細胞内局所環境を可視化するプローブ技術の開発については、前年度までに開発した局在型pH蛍光プローブを用いて、マイトファジーの可視化に取り組んだ。HaloTag蛋白質をミトコンドリアのマトリクスに発現させて、pH蛍光プローブをミトコンドリア内に局在化させた後、薬剤によりマイトファジーを誘導した。レシオ蛍光イメージングにより、マイトファジーによるミトコンドリア内pHの酸性化の可視化に成功した。 課題②のマルチ計測・制御プラットフォーム技術の開発については、標的の細胞内標的蛋白質に対して蛋白質ラベル化技術と細胞内クリックケミストリーを利用して二種類の機能性分子(蛍光色素と電子顕微鏡で観察可能な構造体)を修飾するための分子モジュールを合成した。また、低分子が結合する蛋白質モジュールのプラスミド設計および蛋白質の精製を行った。低分子モジュールの構築が完了し次第、低分子-蛋白質複合体を形成し、電子顕微鏡で観察する予定である。 課題③の高速1分子超解像イメージング技術の開発については、ブリンキングプローブの誘導体化を行った。新たに開発したブリンキングプローブの酸解離定数(pKcycl)、1分子ブリンキング特性を評価し、化合物構造との相関を調べた。さらに、生細胞標識方法の最適化とアクチン細胞骨格の高速1分子超解像イメージングへの応用を進めた。福間班との共同研究では、In-cell AFMと全反射蛍光顕微鏡の複合機を立ち上げ、接着斑の形成動態研究のための技術開発を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の予定通りに研究計画が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
課題①の細胞内局所環境を可視化するプローブ技術の開発については、本年度開発した細胞内局在が可能なpH蛍光プローブを用いて 、pH変化を伴う様々な細胞内現象を可視化する。具体的には、オートファジーに着目し、領域内研究者と共同してpH変化を引き起こす前のオートファジーの進行過程を可視化する。 課題②のマルチ計測・制御プラットフォーム技術の開発については、引き続き標的の細胞内標的蛋白質に対して蛋白質ラベル化技術と細胞内クリックケミストリーを利用して蛍光色素と電子顕微鏡で観察可能な構造体を修飾するための分子モジュールを開発する。 課題③の高速1分子超解像イメージング技術の開発については、超高速1分子観察の結果をもとに引き続きプローブ改良を行う。また、秒オーダーの高速1分子超解像画像を取得し、細胞内の様々なスケールのメゾ複雑体の構造・動態・機能の相関を明らかにする。In-cell AFM-全反射蛍光顕微鏡複合機での技術的問題 (蛍光褪色等)を解決し、1分子イメージングとの複合化に発展させる。
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