研究領域 | クロススケール新生物学 |
研究課題/領域番号 |
21H05254
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
仁田 亮 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40345038)
|
研究分担者 |
中田 隆夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50218004)
佐藤 繭子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 技師 (80550376)
|
研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
118,820千円 (直接経費: 91,400千円、間接経費: 27,420千円)
2024年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2023年度: 20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2022年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2021年度: 34,060千円 (直接経費: 26,200千円、間接経費: 7,860千円)
|
キーワード | クロススケール解析 / クライオ電子顕微鏡 / 微小管 / アクチン / ラミン / クロススケール新生物学 / 細胞骨格 / 光遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
学術変革領域「クロススケール新生物学」の中で、本グループは細胞骨格ネットワーク構築とその破綻による疾病発症の分子機構を解明する。本領域で創設されるクロススケール細胞計測センターを活用して、細胞内で細胞骨格の種=メゾ複雑体ができるタイミング・場所を超解像標識技術で同定し、クライオETで高分解能構造を、In-cell AFMで構造動画を記録する。メゾ複雑体内部の分子間相互作用をIn-cell NMRで測定し、これら構造・動態・相互作用情報を計算技術で統合して、細胞骨格ネットワーク構築過程を原子レベルで理解する。また医学応用を見据え、個体まで拡張したクロススケール技術およびヒト化応用技術を開発する。
|
研究実績の概要 |
学術変革領域「クロススケール新生物学」の中で、本グループは細胞骨格ネットワーク構築とその破綻による疾病発症の分子機構を解明する。本領域で創設されるクロススケール細胞計測センターを活用して、3種の医学・生命科学的課題を遂行するとともに、技術開発へのフィードバックも進めている。 1)非中心体性微小管ネットワーク形成のクロススケール解析:in vitroで、CAMSAPによるLLPSの形成、LLPS内部での重合反応の進行、LLPSから微小管が放射状に伸長する過程を、クライオ電子顕微鏡、TIRF、AFM=高速分子動画を用いて解析している。HeLa細胞では、GFP-tubulinの安定発現株を導入し、微小管ネットワーク形成の時系列のキーフレーム、例えば相分離によるMTOC形成過程や、微小管が放射状に伸び る星状体形成過程の時間軸を共焦点顕微鏡を用いて解析しており、今後、クライオ電子線トモグラフィー解析へ持ち込む。 2)光遺伝学によるタイムラ プスクライオEM技術の開発:Rac1光スイッチによる葉状仮足形成におけるアクチンネットワークの構築過程を材料として、まずはCOS-7細胞を用いて、タイムラプスクライオEM技術を研究開発している。 3)分子から個体のクロススケール解析法の開発―医学応用へ:拡張型心筋症やパーキンソン病などを題材に、ヒトiPS細胞内の分子構造変化をクロススケール計測により捉え、さらに組織レベル・個体レベルへのクロススケール解析法も合わせて開発する。現在、iPS細胞の急速凍結・クライオCLEM観察の条件検討を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)非中心体性微小管ネットワーク形成のクロススケール解析:クライオ電子顕微鏡、TIRFを用いて、in vitroでCAMSAPによるLLPSの形成、LLPS内部での重合反応の進行、LLPSから微小管が放射状に伸長する過程を可視化した。また、技術班との連携により、AFMで微小管重合中間体の補足にも成功しつつある。HeLa細胞では、GFP-tubulinの安定発現株を導入し、共焦点顕微鏡を用いてタイムフレームを観察している。 2)光遺伝学によるタイムラ プスクライオEM技術の開発:COS-7を用いて、Rac1光スイッチによる葉状仮足形成におけるアクチンネットワークの構築過程のタイムラプスクライオEM技術の開発を開始した。葉状仮足を間違いなく形成する時間軸を利用して、急速凍結、クライオCLEM、クライオトモグラフィー、画像の自動認識まで、一通りのスキームを確立した。 3)分子から個体のクロススケール解析法の開発―医学応用へ:拡張型心筋症患者由来のヒトiPS心筋細胞、家族性パーキンソン病由来のヒトiPS神経細胞をグリッド上で培養し、急速凍結、クライオCLEMを行い、実験条件の検討を行なっている。
|
今後の研究の推進方策 |
順調に進展しており、このまま目標通りに進めていく。
|