研究領域 | クロススケール新生物学 |
研究課題/領域番号 |
21H05257
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田中 元雅 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (40321781)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
91,780千円 (直接経費: 70,600千円、間接経費: 21,180千円)
2024年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 24,310千円 (直接経費: 18,700千円、間接経費: 5,610千円)
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キーワード | アミロイド / プリオン / タンパク質凝集体 / 凝集体 / 相分離 / クロススケール計測 / ミスフォールディング / 凝集化 / 認知症 / プロファイリング / クロススケール / 凝集 / 計測 / タンパク質凝集 / 神経変性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内のアミロイドは構造、サイズ、局在が多様な“メゾ複雑体”であり、その分布の違いは異なる細胞機能障害や毒性をもたらす。そのため、細胞内に存在するアミロイドの多様性に焦点をあてアミロイドの生成・脱凝集過程を理解することは疾患メカニズムを解明する上で重要な課題である。本研究ではクロススケール細胞計測センターでの様々な構造解析を行うことで、細胞内の中でおこるアミロイドの生成・脱凝集過程の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、酵母プリオンSup35や認知症に関わるタウやαシヌクレインの凝集・脱凝集メカニズム解明のためのタンパク質構造の計測および細胞実験系の構築を行った。タウを用いてヒト疾患型アミロイドを再現させる手法を用いて、その構造を決定した。それを、細胞やマウスへ注入した結果、野生型タウに対しても顕著なシーディング効果を見出し、今後の解析へ向けた細胞・マウスの実験プラットホームを開発した。原子間力顕微鏡などからアミロイドの物性解析を行い、細胞内環境に依存して、離合集散の性質が大きく変化することを見出し、その結果が、翻訳後修飾によるアミロイド物性の変化や脱凝集のされやすさと非常によい相関があることを実験的に見出した。αシヌクレインに関しても線維構造を決定し、アミロイド構造に依存して脱凝集効率が異なること見出した。その脱凝集過程の詳細を明らかにするため、全反射照明蛍光顕微鏡を用いた蛍光ラベル実験系の開発を進めた。さらに、精製タンパク質や培養細胞を用いて、ポストシナプスタンパク質の液滴形成や、それが疾患関連タンパク質の液滴と相互作用する様式や液滴の共存および解離についての新たな知見を得た。さらにポストタンパク質群の拡張や培養細胞を用いた誘導型液滴形成実験系の確立を目指した実験を進めた。さらに、昨年度に引き続き、領域内のクロススケール細胞計測センターにおいて、NMR実験および微量タンパク質の質量解析実験を共同で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
構造やサイズの異なる様々なメゾ複雑体を定量する技術や相分離実験系の開発が順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
相分離実験に関しては、相分離メゾ複雑体の構造を分光学的に解析する手法の開発と細胞内でシナプスタンパク質の相分離を制御し、その物性、構造の経時変化の解析に注力する。クライオ電子顕微鏡および原子間力顕微鏡での解析に関しては引き続き、タウやαシヌクレインなどのヒト疾患関連アミロイドの構造多型や物性に着目した実験および脱凝集実験をさらに進める。本年度はリコンビナント蛋白質に加え、死後脳由来のシードをモアちいた実験も進める予定である。周波数変調原子間力顕微鏡や高速原子間力顕微鏡を用いたタンパク質の動的構造解析に関してはクロススケール細胞計測センターと協同で、これまでに進展させてきた測定系の最適化をさらに進める予定である。
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