研究領域 | 新興硫黄生物学が拓く生命原理変革 |
研究課題/領域番号 |
21H05262
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
花岡 健二郎 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (70451854)
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研究分担者 |
土屋 幸弘 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (30455406)
小松 徹 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (40599172)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
81,120千円 (直接経費: 62,400千円、間接経費: 18,720千円)
2024年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2023年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2022年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2021年度: 20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
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キーワード | 蛍光プローブ / 酵素阻害剤 / NMRプローブ / 超硫黄分子 / 硫化水素 / 分析科学 / ハイスループットスクリーニング / 有機化学 |
研究開始時の研究の概要 |
新興硫黄生物学の開拓に不可欠となる、超硫黄分子を含む硫黄代謝物のマルチモーダルな計測技術の確立を目指す。具体的には、蛍光プローブ、NMRプローブの新規開発を通じ、超硫黄分子の定量的ダイナミクスを精緻に理解する実験系の確立や、in vitroからin vivoまでを包括する超硫黄代謝物の分子種特異的検出手法の構築を行い、超硫黄分子の生体内ダイナミクスの理解に資する研究プラットフォームを確立する。また、これらのツールを駆使し、他の領域内研究者との協働によって、硫黄代謝ダイナミクスを支配するタンパク質の機能制御法の開発や、超硫黄代謝の異常検出による疾患の診断を指向した実用化研究への展開を図る。
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研究実績の概要 |
各種超硫黄分子の可視化解析のための蛍光プローブ及び、NMRプローブの開発を行い、それによって、これまで不可能であった超硫黄分子の動的変化のイメージングや定量計測を実現することを本研究の主目的としている。さらに、本研究領域において、これらのツール開発を行うのみならず、これらのツールを基盤とした領域内共同研究を推し進める。さらに、開発した蛍光プローブを用いて独自の研究アプローチによって、硫黄代謝ダイナミクスを制御するタンパク質に対する生合成制御分子の開発や、硫黄代謝異常の高感度検出による疾患の診断技術の開発にも取り組み、超硫黄分子と疾患との関わりの理解も推進する。 本年度においては、これまでに開発に成功しているH2S検出蛍光プローブであるHSip-1(JACS 133, 18003-18005 (2011))を用いてハイスループットスクリーニングを行うことでcystathionine γ-lyase(CSE)の選択的阻害剤の開発に成功し、それら機能評価を行った成果を学術論文として発表した(Sci. Rep. 13:16456 (2023))。また、昨年度にハイスループットスクリーニングにて見出した、cystathionine β-synthase(CBS)の選択的阻害剤の誘導体をデザイン・合成することで、CBSの阻害活性の高い新たな阻害剤の開発に成功した。更に、thiosulfate sulfurtransferase (TST)の酵素活性を検出するin vitroアッセイ系を新たな蛍光プローブの開発を通して構築し、阻害剤のハイスループットスクリーニングを開始した。33S-NMRによる生体内硫黄分子の検出法の開発に関しても、初期的検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、CSE阻害剤の開発について学術論文として発表することができた。CBS阻害剤についても、誘導体の合成・評価や結晶構造解析の取り組みなど着実に研究が進行している。また、TSTなどの新たな酵素に対する阻害剤の開発も進行していることから、当初の目的の一つであった超硫黄分子種の研究分野に関わる酵素に対する選択的阻害剤群の開発が達成しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、各種超硫黄分子の産生酵素群の選択的な阻害剤の開発を行うと共に、NMRプローブや疾患の診断技術の開発など、他の研究課題にも共同研究などを通して推進していく予定である。
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