研究領域 | ジオラマ環境で覚醒する原生知能を定式化する細胞行動力学 |
研究課題/領域番号 |
21H05311
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
飯間 信 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (90312412)
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研究分担者 |
山口 崇幸 滋賀大学, データサイエンス学系, 助教 (90748964)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
90,610千円 (直接経費: 69,700千円、間接経費: 20,910千円)
2024年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2023年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2022年度: 20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2021年度: 28,210千円 (直接経費: 21,700千円、間接経費: 6,510千円)
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キーワード | ミドリムシ / 微生物運動 |
研究開始時の研究の概要 |
原生知能とは,個と環境が不可分で変動が大きい複雑な自然環境において原生動物が発揮する,環境への高度な適応能力を指す.原生知能を理解し応用につなげるにはアルゴリズムとしての記述と評価が必要となる.本研究では,微細藻類の好適環境探索を題材とし,適度に取捨選択された複雑環境のもとでの挙動を観測・解析することで原生知能のアルゴリズムを抽出し,その数理科学的特徴を明らかにすることを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,複雑環境下において微生物が好適環境の探索を実現する原生知能のアルゴリズムを記述し,普遍性や応用可能性を検証することを目的とする. 具体的なモデル生物としてミドリムシ等の微細藻類を用いる。本年度はジオラマ環境における微生物の個体および集団運動の解析と、原生知能アルゴリズムの解析手法に関する研究を行った。(1) ミドリムシを非一様な光環境に置いたときの長期的な個体運動を解析し、2乗平均距離(MSD)の挙動が異なることを明らかとした。(2) ミドリムシ集団が示す生物対流パターンに対して時間周期的な光環境を与えることで、パターンが複雑な遷移挙動を示すことを明らかとした。(3) ミドリムシ集団が一様な光環境に置かれたとき、これまで擬2次元環境でのみ報告されていた局在対流構造が、3次元的な環境でも存在することを発見し、同時に非一様光環境により制御出来ることを示した。(4) 微生物を力学モデルにより記述したときの挙動を力学系における軌道と見なし、その軌道がサドル近傍を通過する際に複数方向に分岐しうる場合、その方向を制御するアルゴリズムについての研究を行った。計画班内では定期的な進捗報告とともに必要に応じて個別の打ち合わせを行うなど、緊密に連絡を取り合っている。また他計画班とも同様に連絡体制を確立し、各計画班での研究課題に対する意見交換を進めている。本領域において、2022年10月に国際会議One-day workshop on the cellular level ethological dynamics towards "proto-intelligence" を組織委員長として企画し、京都大学益川ホールにてハイブリッド形式で実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究設備および研究環境の整備は主要な部分をほぼ終えた。研究員1名を雇用し、実験および数値解析両面から研究が推進できるようになった。研究計画班内会議も引き続き月1度のペースで実施し、進捗状況を報告し合っている。また本課題の計画班同士での会合も別に月1度のペースで行っている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画に沿って研究を着実に推進してゆく。主要テーマである、ジオラマ環境におけるモデル微生物の個体および集団運動の研究を引き続き進め、原生知能アルゴリズムの抽出・理解に役立てる。研究計画班での研究分担者およ び研究協力者とは緊密に連絡を取り合い研究実施計画に基づいたそれぞれの課題を実行する。
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