研究領域 | デジタルバイオスフェア:地球環境を守るための統合生物圏科学 |
研究課題/領域番号 |
21H05314
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 教授 (70578864)
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研究分担者 |
北島 薫 京都大学, 農学研究科, 教授 (40721379)
井鷺 裕司 京都大学, 農学研究科, 教授 (50325130)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
123,630千円 (直接経費: 95,100千円、間接経費: 28,530千円)
2024年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2023年度: 21,450千円 (直接経費: 16,500千円、間接経費: 4,950千円)
2022年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2021年度: 37,960千円 (直接経費: 29,200千円、間接経費: 8,760千円)
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キーワード | 生態系機能 / 森林 / ゲノム / 形質 / UAV / 森林生態系機能 / 樹冠 / 生産生態学 / 適応 / 浸透交雑 / 森林機能 / 樹冠構造 / 温暖化 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動下において、国土の2/3を占める森林の機能を最大化するために、ゲノム・形質・生態を有機的に連結した新しいアプローチを提案・実行することを目的とする。森林のCO2吸収能力の最大化のためには、日射あたりの森林生産量を上げる必要があり、従来から注目されている葉レベルの評価に加えて、新技術を駆使して、樹冠レベルの評価を行う。また温暖化に対して、主要樹種がどのように適応するかを、ゲノム解読と集団遺伝学的アプローチにより解析する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、気候変動下において、国土の2/3を占める森林の機能を最大化するために、ゲノム・形質・生態を有機的に連結した新しいアプローチを提案・ 実行することを目的としている。本課題には、2つの研究グループがあり、形質チームはドローンLiDARを使い、森林生産を決定する樹冠構造を明らかにし、ゲノムチームは、温暖化に伴う樹種の生育適地が移動とその適応の程度を、ゲノムレベルから明らかにしようとしている。 R3年度においては、形質チームは、新たにLiDARドローンの導入し、導入機器の運用と解析技術について検討を重ねた。得られた画像や点群情報をもとに、個体分離や樹冠分離を行い、現地において個体IDと紐づけることにより、空撮データと地上データを統合的に解析できるようになった。京都大学和歌山研究林で、パイロット研究を実施し、良好な結果を得た。本プロジェクトの方向性や予備的な解析結果は生態学会でも発表した。また光合成測定器を導入し、新たな形質測 定の準備を整えた。その他、関連の共同研究において複数の発表をおこなった。 ゲノムチームは、樹木が浸透交雑によって、温暖化などの環境変動に適応する能力を獲得するプロセスについて、コナラとミズナラおよびハイマツとキタゴヨウをモデル樹種として、国内の異なる地域で、標高傾度に沿って集中サンプリングを行う計画をたてた。また、パイロット調査として、滋賀県の蛇谷ケ峰において、低地から高地まで種子を採取し、北白川試験地にて栽培実験を開始した。これにより、現地環境の効果を排除して、純粋 に遺伝的な形質の変化を評価することも行っている。北半球に広く分布するアキノキリンソウの北極圏環境への適応分析では,北極圏集団の系統的由来を明らかにするために,ユーラシア大陸全域から採取した試料を対象に縮約ゲノム分析による系統地理解析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進んでいるため
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、形質チームとドローンチームがそれぞれの課題を進めつつ、ゲノム・形質・生態を有機的に連結した新しいアプローチを検討していく。形質チームは、ドローンLiDARによる森林調査をもう10ヶ所ほどで行い、日本全国スケールでの解析を進める。またゲノムチームも、新たな調査地を増やし、温暖化に伴う樹種の生育適地が移動とその適応の程度を、広範囲かつ詳細に明らかにしていく。また新規のワークステーションを導入し、詳細なゲノム解析を進める。
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