クロマチンリモデリングの構造生物学

• 研究領域: ゲノム複製・修復・転写のカップリングと普遍的なクロマチン構造変換機構
• 研究課題/領域番号: 22131007
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 生物系
• 研究機関: 熊本大学
• 研究代表者: 山縣 ゆり子 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (40183678)
• 研究分担者: 森岡 弘志 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20230097)
• 研究期間 (年度): 2010-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 128,570千円 (直接経費: 98,900千円、間接経費: 29,670千円); 2014年度: 23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円); 2013年度: 25,090千円 (直接経費: 19,300千円、間接経費: 5,790千円); 2012年度: 26,260千円 (直接経費: 20,200千円、間接経費: 6,060千円); 2011年度: 26,260千円 (直接経費: 20,200千円、間接経費: 6,060千円); 2010年度: 27,040千円 (直接経費: 20,800千円、間接経費: 6,240千円)
• キーワード: タンパク質 / クロマチンリモデリング / DNA合成酵素 / 構造生物学 / 時分割結晶学 / 蛋白質間相互作用 / 時分割結晶内酵素反応解析 / ゲノム / ゲノム安定性 / ゲノムメンテナンス / タンパク質の大量調製 / タンパク質の結晶化

研究成果の概要

構造学的立場からゲノム修復・複製に関わる酵素の働きを調べる上で、これまでの裸のDNA ではなくクロマチンレベルでのDNA やこれまでは経験的に扱っていた水素原子の位置を考慮すること、酵素の働く過程を原子レベルで追跡することは新しい視点で他に波及効果が大きい研究課題である。
本研究では、ゲノム修復・複製に関わる酵素が働くためにクロマチン構造を変換するクロマチンリモデリング因子のサブユニットのX線結晶構造解析の結果に基づき、物理化学的、生化学的、分子生物学的手法を駆使し、全体像モデルを構築した。また、UV損傷を修復し、皮膚がんを抑えるDNAポリメラーゼの反応過程全体を初めて原子レベルで可視化した。

研究成果

• [雑誌論文] Crystal Structure of IMP-2 Metallo-β-lactamase from <i>Acinetobacter</i> spp. (2015)
  • 著者名/発表者名: Yamaguchi Y., Matsueda S., Matsunaga K., Takashio N., Toma-Fukai S., Yamagata Y., Shibata N., Wachino J., Shibayama K., Arakawa Y. & Kurosaki H.
  • 雑誌名: Ｂｉｏｌｏｇｉｃａｌ ＆ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌ Ｂｕｌｌｅｔｉｎ 巻: 38 号: 1 ページ: 96-101
  • DOI: 10.1248/bpb.b14-00594
  • NAID: 130004872220
  • ISSN: 0918-6158, 1347-5215
  • 査読あり
• [雑誌論文] 構造生物学の歴史と進展 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 雑誌名: ファルマシア 巻: 50 ページ: 393-397
  • NAID: 130005158657
  • 査読あり
• [雑誌論文] ゲノム安定性維持に働くタンパク質～DNA修復・複製酵素 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 雑誌名: 日本の結晶学 巻: II ページ: 313-314
  • 査読あり
• [雑誌論文] DNA ポリメラーゼηによるリン酸ジエステル結合の形成過程の観察 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中村照也, 山縣ゆり子, Wei Yang
  • 雑誌名: 生物物理 巻: 53 ページ: 254-257
  • NAID: 10031191847
  • 査読あり
• [雑誌論文] Crystallization and preliminary X-ray analysis of human MTH1 with a homogeneous N-terminus. (2013)
  • 著者名/発表者名: Koga Y, Inazato M, Nakamura T, Hashikawa C, Chirifu M, Michi A, Yamashita T, Toma S, Kuniyasu A, Ikemizu S, Nakabeppu Y, Yamagata Y.
  • 雑誌名: Acta Crystallogr Sect F Struct Biol Cryst Commun 巻: 69(Pt 1) 号: 1 ページ: 45-48
  • DOI: 10.1107/s1744309112048002
  • 査読あり
• [雑誌論文] 時分割タンパク質結晶学によるDNA ポリメラーゼη のヌクレオチド転移反応の可視化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中村照也
  • 雑誌名: 日本結晶学会誌 巻: 55 ページ: 42-46
  • 査読あり
• [雑誌論文] Mechanism of the nucleotidyl-transfer reaction in DNA polymerase revealed by time-resolved protein crystallography (2013)
  • 著者名/発表者名: Teruya Nakamura
  • 雑誌名: BIOPHYSICS 巻: 9 号: 0 ページ: 31-36
  • DOI: 10.2142/biophysics.9.31
  • NAID: 130003366027
  • ISSN: 1349-2942
  • 査読あり
• [雑誌論文] Human MTH3 (NUDT18) hydrolyzes the oxidized forms of guanosine and deoxyguanosine diphosphates: A comparison with MTH1 and MTH2 (2012)
  • 著者名/発表者名: Yasumitsu Takagi
  • 雑誌名: J. Biol. Chem. 巻: 287 号: 25 ページ: 21541-21549
  • DOI: 10.1074/jbc.m112.363010
  • 査読あり
• [雑誌論文] Watching DNA polymerase η make a phosphodiester bond. (2012)
  • 著者名/発表者名: Nakamura T.
  • 雑誌名: Nature 巻: 487 号: 7406 ページ: 196-201
  • DOI: 10.1038/nature11181
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cleavage of Oxidized Guanine Nucleotide and ADP-sugar by Human NUDT5 Protein (2011)
  • 著者名/発表者名: Riyoko Ito, at al
  • 雑誌名: J.Biochem. 巻: 149 号: 6 ページ: 731-738
  • DOI: 10.1093/jb/mvr028
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diverse Substrate Recognition and Hydrolysis Mechanisms of Human NUDT5 (2011)
  • 著者名/発表者名: Takao Arimori, at al
  • 雑誌名: Nucleic Acids Res. 巻: 39 号: 20 ページ: 8972-8983
  • DOI: 10.1093/nar/gkr575
  • 査読あり
• [雑誌論文] 突然変異抑制酵素NUDT5の幅広い基質特異性発現機構 (2011)
  • 著者名/発表者名: 有森貴夫、山縣ゆり子
  • 雑誌名: 福岡医学雑誌 巻: 102 ページ: 303-312
  • NAID: 40019177259
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cleavage of Oxidized Guanine Nucleotide and ADP-sugar by Human NUDT5 Protein (2011)
  • 著者名/発表者名: Riyoko Ito
  • 雑誌名: J.Biochem. 巻: (印刷中)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Solution of the Structure of the TNF-TNFR2 complex (2010)
  • 著者名/発表者名: Yohei Mukai
  • 雑誌名: Science Signaling 巻: 3
  • 査読あり
• [雑誌論文] The crystal structure of the green tea polyphenol(-)-epigallocatechingallate (EGCG)-transthyretin complex reveals a novel binding site distinct from the thyroxine binding site (2010)
  • 著者名/発表者名: Masanori Miyata
  • 雑誌名: Biochemistry 巻: 49 ページ: 6104-6114
  • 査読あり
• [学会発表] クロマチンリモデリング関連因子間の相互作用解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 谷口 岳史、辻 美保子、森田 和美、阿川 大貴、諏訪 喜昭、小橋川 敬博、池鯉鮒 麻美、中村 照也、逢坂 文那、齊藤 貴士、前仲 勝実、菅野 新一郎、安井 明、山縣 ゆり子、森岡 弘志
  • 学会等名: 第31回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 第一薬科大学・福岡
  • 年月日: 2014-12-06 – 2014-12-07
• [学会発表] クロマチンリモデリング関連因子hCHRAC15/17複合体とhACF1との相互作用解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 阿川 大貴、辻 美保子、諏訪 喜昭、小橋川 敬博、小城美春、池鯉鮒 麻美、中村 照也、菅野 新一郎、安井 明、山縣 ゆり子、森岡 弘志
  • 学会等名: 第31回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 第一薬科大学・福岡
  • 年月日: 2014-12-05 – 2014-12-06
• [学会発表] クロマチンリモデリング複合体形成の構造生物学的研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 谷口 岳史、辻 美保子、森田 和美、阿川 大貴、諏訪 喜昭、小橋川 敬博、池鯉鮒 麻美、中村 照也、逢坂 文那、齊藤 貴士、前仲 勝実、菅野 新一郎、安井 明、山縣 ゆり子、森岡 弘志
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜パシフィコ・横浜
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27
• [学会発表] X線結晶構造解析による酵素反応機構の解明 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 学会等名: 第42回構造活性相関シンポジウム
  • 発表場所: くまもと森都心プラザ・熊本
  • 年月日: 2014-11-13 – 2014-11-14
  • 招待講演
• [学会発表] Kinetic Crystallography on MutT and its homolog (2014)
  • 著者名/発表者名: Teruya Nakamura, Miyuki Inazato, Keisuke Hirata, Kohei Yoshikawa, Mami Chirifu, Shinji Ikemizu, Yuriko Yamagata
  • 学会等名: XXIII Congress of the International Union of Crystallography
  • 発表場所: Convention Centre・Montreal
  • 年月日: 2014-08-05 – 2014-08-12
• [学会発表] ヒト8-oxo-dGTPaseの結晶内反応 (2014)
  • 著者名/発表者名: 中村照也、稲里みゆき、平田啓介、吉川紘平、池鯉鮒麻美、池水信二、山縣ゆり子
  • 学会等名: 第14回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: ワークピア横浜/横浜産貿ホール・横浜
  • 年月日: 2014-06-25 – 2014-06-27
• [学会発表] DNAポリメラーゼ#61544;によるヌクレオチド転移反応の可視化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中村照也
  • 学会等名: 日本薬学会第133回年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜・横浜
  • 年月日: 2013-03-27
• [学会発表] DNA修複関連酵素の構造生物学的研究における中性子回折計への期待 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 学会等名: シンポジウム「構造生物学研究における中性子と放射光の連携～J-PARC/MLF生体高分子専用高分解能中性子回折計の建設実現に向けて」
  • 発表場所: 東京国際フォーラム・東京
  • 年月日: 2013-01-22
  • 招待講演
• [学会発表] 中性子と放射光が連携するタンパク質結晶学への期待 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 学会等名: 第13回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: とりぎん文化会館・鳥取
  • 招待講演
• [学会発表] クロマチンリモデリング複合体HuCHRACにおける分子間相互作用解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 辻 美保子, 諏訪 喜昭, 小橋川 敬博, 中村 照也, 池鯉鮒 麻美, 小城 美春, 阿川 大貴, 上赤 伸吾, 谷口 岳史, 中西 祥子, 菅野 新一郎, 安井 明, 山縣 ゆり子, 森岡 弘志
  • 学会等名: 第86回日本生化学会大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜・横浜
• [学会発表] クロマチンリモデリング関連因子hCHRAC15/17複合体とhACF1との相互作用解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 阿川 大貴，辻 美保子，諏訪 喜昭，小橋川 敬博，小城 美春，池鯉鮒 麻美，中村 照也，菅野 新一郎，安井明，山縣 ゆり子，森岡 弘志
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド・神戸
• [学会発表] クロマチンリモデリング関連因子hACF1とhSNF2H の相互作用解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 辻 美保子，谷口 岳史，諏訪 喜昭，小橋川 敬博，池鯉鮒 麻美，中村 照也，菅野 新一郎，安井 明，山縣ゆり子，森岡 弘志
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド・神戸
• [学会発表] クロマチンリモデリング関連因子SNF2Hの結晶化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 谷口 岳史, 上赤 伸吾, 辻 美保子, 諏訪 喜昭, 小橋川 敬博, 中村 照也, 池鯉鮒 麻美, 菅野 新一郎, 安井 明, 山縣 ゆり子, 森岡 弘志
  • 学会等名: 第30回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 長崎国際大学・佐世保
• [学会発表] ヒト酸化プリンヌクレオチド分解酵素の基質認識機構の解明 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 学会等名: 大阪大学蛋白質研究所セミナー「量子ビームの連携利用に向けた新しいタンパク質結晶学」
  • 発表場所: 大阪大学蛋白質研究所・吹田
  • 招待講演
• [学会発表] DNA polymerase ηのヌクレオチド転移反応機構 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中村照也，Zhao Ye，山縣ゆり子，Hua Yue-jin, Yang Wei
  • 学会等名: 第13回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: とりぎん文化会館・鳥取
• [学会発表] クロマチンリモデリング複合体HuCHRACにおける分子間相互作用の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 辻 美保子
  • 学会等名: 第29回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 熊本大学薬学部・熊本
  • 年月日: 2012-12-08
• [学会発表] Visualization of oxidized nucleotide processing by E. coli MutT (2012)
  • 著者名/発表者名: Teruya Nakamura
  • 学会等名: Nucleic Acids Conference 2012
  • 発表場所: Riviera Maya, Mexico
  • 年月日: 2012-11-14
  • 招待講演
• [学会発表] DNAポリメラーゼ#61544;によるヌクレオチド転移反応の時分割X線結晶構造解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中村照也
  • 学会等名: 平成24年度日本結晶学会年会
  • 発表場所: 東北大学片平キャンパス・仙台
  • 年月日: 2012-10-25
• [学会発表] DNA修復関連酵素の反応過程解明における中性子構造解析の展望 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 学会等名: 平成24年度第1回生物構造学研究会
  • 発表場所: 研究社英語センター大会議室・東京
  • 年月日: 2012-10-02
  • 招待講演
• [学会発表] DNAポリメラーゼ#61544;が行うヌクレオチド転移反応の観察 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中村照也
  • 学会等名: 第７回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 名古屋大学東山キャンパス・名古屋
  • 年月日: 2012-09-22
  • 招待講演
• [学会発表] 酸化損傷ヌクレオチド分解酵素MTH1のpH依存的な基質認識変化 (2012)
  • 著者名/発表者名: 古賀由香里
  • 学会等名: 第11回次世代を担う若手ファーマバイオフォーラム2012
  • 発表場所: 九州大学病院キャンパス・福岡
  • 年月日: 2012-09-15
• [学会発表] The effects of salt concentrations on pH dependent substrate recognition in hMTH1 (2012)
  • 著者名/発表者名: Yukari Koga
  • 学会等名: 第12回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場・名古屋
  • 年月日: 2012-06-20
• [学会発表] クロマチンリモデリング・ゲノム修復に関わるタンパク質群の相互作用解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 辻 美保子
  • 学会等名: 第12回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場・名古屋
  • 年月日: 2012-06-20
• [学会発表] Structural studies on the substrate specificity and hydrolysis mechanism of oxidized nucleotide processing (2012)
  • 著者名/発表者名: Teruya Nakamura
  • 学会等名: 4th US-JAPAN DNA REPAIR MEETING
  • 発表場所: Virginia, USA
  • 年月日: 2012-04-11
  • 招待講演
• [学会発表] Unexpected Substrate Recognition and Hydrolysis Mechanisms of Human NUDT5 (2012)
  • 著者名/発表者名: Yuriko Yamagata
  • 学会等名: Keystone Symposia "Structural Biology of Cellular Processes : From Atoms to Cells"
  • 発表場所: Keystone, USA
• [学会発表] pH-dependent substrate recognition in human MTH1 (2011)
  • 著者名/発表者名: Yuriko Yamagata
  • 学会等名: XXII Congress of the International Union of Crystallography
  • 発表場所: Madrid, Spain
• [学会発表] 突然変異原となる酸化ヌクレオチド分解酵素における新たな水の役割 (2011)
  • 著者名/発表者名: 山縣ゆり子
  • 学会等名: 2011年度第1回バイオ単分子・水和ナノ構造合同研究会
  • 発表場所: ホテル箱根パウエル、足柄下郡箱根町(招待講演)
• [学会発表] Structural basis for broad substrate specificity of human NUDT5 (2011)
  • 著者名/発表者名: Yuriko Yamagata
  • 学会等名: Gordon Research Conferences, "Mammalian DNA Repair"
  • 発表場所: Four Points Sheraton Ventura (USA)
• [備考]
  • URL: http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/Labs/sb/index.html