研究領域 | 量子もつれ光子対による原子核-多分子間相互作用プローブを活用した診断治療学の創生 |
研究課題/領域番号 |
22H05022
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島添 健次 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70589340)
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研究分担者 |
上ノ町 水紀 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (70913458)
太田 誠一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40723284)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
37,180千円 (直接経費: 28,600千円、間接経費: 8,580千円)
2024年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 光子対診断治療学 / 角度相関 / 核医学 / 量子もつれ / ガンマ線 / コンプトンPET / 摂動角相関 / 核スピン / カスケード光子 / コンプトンカメラ / カスケードガンマ線 / pH / 多光子 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者ら開発のCompton-PETは多分子の間接的な時空間相関イメージングが可能であるが、分子間相互作用を観測する医用診断装置は存在していない。 本研究では量子もつれ光子対放出原子核-分子間相互作用プローブおよびイメージング装置の開発を行い、次世代診断治療に必要となる薬剤分子間相互作用解析、悪性腫瘍・アルツハイマー病等の複数薬剤同時診断、個別化医療の実現が可能なイメージング治療技術基盤を創出することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では「原子核→生体空間、 化学反応→原子核の多階層構造を繋ぐ量子もつれ光子対放出原子核-分子間相互作用プローブによる革新的診断治療学の創生」のため以下3項目を目的とする。1)分子間相互作用を体外から非侵襲に取り出す新たな物理化学原理と手法の確立 2)新構造を有する全身分子間相互作用イメージング装置の開発 3)もつれ光子薬剤による薬剤細胞内取り込み・細胞内化学環境可視化実証試験 これにより次世代診断治療に必要となる薬剤分子間相互作用解析、悪性腫瘍・アルツハイマー病等の複数薬剤同時診断、個別化医療の実現が可能なイメージング治療技術基盤を創出する。具体的には、量子もつれガンマ光子対時空間相関と発生位置を計測する新イメージング装置を設計開発し、超微細相互作用を介しもつれ光子対時空間相関から原子核周囲の微弱電磁場化学結合環境を非侵襲可視化(eV→MeV増幅変換)する手法を確立する。本年度はもつれ光子対放出核種(111In SPECT臨床核種)を担体送達し、プレターゲティングを行うCupid-Psyche改変ビオチンシステムで のトレーサー分子による光子対生成の空間放出相関測定を詳細に行うことで放出のpH依存性を明らかにした。これによりDOTAにキレートされた状態でのpH変化への応答性を検証し、異なる送達薬剤において異なる応答が観測された。また従来のSPECTを用いた、pHイメージング手法を拡張し、コンプトンPET装置をもちいたpHと集積の同時イメージングにも成功した。加えて大型のシリコンセンサを用いたコンプトンPET装置を試作し、低エネルギーのガンマ線のイメージングを実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
もつれ光子対放出核種(111In SPECT臨床核種)を担体送達し、プレターゲティングを行うCupid-Psyche改変ビオチンシステムでのトレーサー分子による光子対生成の空間放出相関測定を詳細に行うことで放出のpH依存性を明らかにした。これによりDOTAにキレートされた状態でのpH変化への応答性を検証し、異なる送達薬剤において異なる応答が観測された。また従来のSPECTを用いた、pHイメージング手法を拡張し、コンプトンPET装置をもちいたpHと集積の同時イメージングにも成功した。加えて大型のシリコンセンサを用いたコンプトンPET装置を試作し、低エネルギーのガンマ線のイメージングを実現した。加えて、pH等の分子構造に由来する電気四重極相互作用以外の外場の可能性を検討し、パルス超音波を用いた摂動により時間分解でカスケード光の相関を変更可能であることを初めて確認した。加えて磁場を印加した状態でのラーモア歳差運動の変化から化学シフトの観測に成功したほか、ナノ粒子にDOTAを用いて111Inを接合する技術を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はin vitroでの実験をin vivoに拡張し、細胞内での放出相関の依存性を継続的に検証を行う。これまでの試行においては、一部矛盾したデータが得られており、原因を追求しつつ実験を継続する。またpHの実際の細胞内での挙動などの確認を行うために、ナノ粒子を専門とする分担者に参入をしてもらうことで蛍光イメージングと放射線イメージングの両面から検証する体制を整えた。また量子ドットなどのナノ粒子と放射線を組み合わせた新たなイメージング技術の展開を目指す。これらの細胞レベルでのin vivoイメージングの特性を確認した後に小動物でのイメージング検証実験を実施する。
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