研究領域 | アプタマー生物学の創成 |
研究課題/領域番号 |
22H05038
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
塚越 かおり 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20708474)
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研究分担者 |
山岸 彩奈 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (00778293)
松村 洋寿 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (60741824)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
58,890千円 (直接経費: 45,300千円、間接経費: 13,590千円)
2024年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 22,360千円 (直接経費: 17,200千円、間接経費: 5,160千円)
2022年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
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キーワード | アプタマー / タンパク質制御 / 脳ホメオスタシス / アミロイド / 神経炎症 / 酵素活性 / タンパク質間相互作用 / 脳内ホメオスタシス |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質分子が複雑かつ協奏的に機能する生命システムの全容を解明するためには、革新的な技術・ツールの開発に基づく新しい研究アプローチが必須である。本研究では、脳内の恒常性維持に関わるタンパク質機能を増強するアプタマーの開発と、核酸デリバリー技術を用いた脳へのアプタマー輸送によって「遺伝子改変不要」な「活性増強」による恒常性操作モデルマウスを開発することを目的とする。アプタマー導入マウスを用いた標的タンパク質の生物学的機能の解明研究を推進することで、「アプタマー生物学」の基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
本領域研究の狙いは、DNAなどの核酸から成るリガンド・アプタマーの特異的な相互作用によって標的タンパク質の活性や相互作用を直接制御し生体に応用することで、未知の生命現象の解明のための新規な生物学研究アプローチを確立することである。C01計画班(本研究課題)は機能制御アプタマーの開発とマウス生体内での応用を目指している。 本年度は前年度より引き続きA01計画班、B01計画班と連携し、異常凝集するペプチドであるAβを分解するプロテアーゼであるKallikrein-related peptidase 7(KLK7)の酵素活性を増強するアプタマーと、タンパク質間相互作用により細胞保護/細胞死の調整機能を担うneuronal nitric oxide synthase(nNOS)、C-terminal PDZ ligand of nNOS(CAPON)に結合するアプタマーの開発を実施した。前年度までにKLK7、nNOS、CAPONに結合するアプタマークローンを同定したので、以下の研究を行なった。 1)マウス由来KLK7(mKLK7)はヒト由来KLK7(hKLK7)との相同性が高い。そこでA01班よりhKLK7を提供いただき、得られたアプタマーのhKLK7への結合を観察したところ、得られたアプタマーがhKLK7に結合することを見出した。また、mKLK7-hKLK7間での結合シグナルの違いから、各種アプタマークローンが異なる部位に結合することが示唆された。 2)nNOS結合アプタマーの結合解離定数を算出し、アプタマーがCAPON-nNOSの結合能より高い結合親和性を有していることを明らかにした。また、CAPON-nNOSの結合を阻害しないことも明らかにした。CAPONアプタマーについては、予想外にnNOSへの非特異的結合が見出されたため、アプタマーの改良を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は産前産後休業により一部の期間研究を停止したものの、前年度に得られたアプタマーの特性検討をほぼ完了することができた。In vivoへの応用へ向けて、共同研究も進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
KLK7結合アプタマークローンを複数獲得しているので、組換えKLK7を用いた活性への影響の評価を進める。また、nNOS結合アプタマーについては、得られたアプタマーが生体由来のnNOSに結合するかを検証する。CAPONアプタマーについては、特異的な結合が観察されるよう条件検討を進める。
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