研究領域 | 反応駆動学:カーボンリサイクルにむけた限界打破への挑戦 |
研究課題/領域番号 |
22H05044
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
今岡 享稔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80398635)
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研究分担者 |
葛目 陽義 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20445456)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
54,210千円 (直接経費: 41,700千円、間接経費: 12,510千円)
2024年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2023年度: 21,450千円 (直接経費: 16,500千円、間接経費: 4,950千円)
2022年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | クラスター / 触媒 / 二酸化炭素 / サブナノ粒子 / 水素化反応 / 動的活性点 / XAFS / DRIFTS / 反応機構解析 / 金属クラスター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では低温でCO2を還元できるサブナノ粒子触媒の創製を行い、領域の目標であるSabatier Limitと転化率-選択性の相反突破に貢献する。具体的にはCO2水素化反応を100℃前後の低温で進行させる触媒活性点を創出する。これによりA02班のゼオライトCO2濃縮反応場やA03班の動的結合高分子を活用したCO2高選択分離透過膜をひとつの触媒システムとして統合できるようになる。本研究では実際にサブナノ粒子をゼオライト、分離膜とともに触媒システムとして実装し、低温、低圧(大気圧程度)CO2還元を達成する。
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研究実績の概要 |
サブナノ粒子 (SNPs) は数個から数十個の原子で構成されるため、特異な配位構造と高い反応性を持つ。本研究では部分的に酸化された二元金属サブナノ粒子 Mo4Pt8Ox を設計し、室温および大気圧下でCO2の水素化を実現した。TiO2担体に担持されたMo4Pt8Ox SNPを合成し、その粒径は0.9±0.2 nmであることを確かめた。室温および大気圧下でのCO2水素化反応において触媒特性を評価した結果、この触媒は室温でCO2をCOに変換する能力を25℃から発揮した。さらに49時間にわたって安定した性能を持続した。 CO2はまずMo4Pt8Ox SNP上で活性化され、COとOに分解されることが確認された。生成されたOはMo種を酸化し、COはPt原子に結合する。この過程は、in situ XANESおよびDRIFTS測定により支持された。特に、DRIFTS測定では、CO2導入後にPt表面に吸着されたCOの振動バンドが観察された。Mo4Pt8Ox SNPsの高い触媒活性は、PtとMoの合金化によりCOの吸着エネルギーが弱くなることに起因している。DFT計算によると、Mo4Pt8OxのPt-CO吸着エネルギーはPt12よりも低く、これが低温でのCO2水素化を可能にしている。具体的には、Pt-CO吸着エネルギーはPt12/TiO2で-44.8 kcal mol^-1からMo4Pt8O8/TiO2で-29.6 kcal mol^-1に低下した。 従来の研究では、酸素欠損固体材料を用いてCO2をCOと酸素に分解することが成功していたが、触媒プロセスの実現は困難であった。これに対し、本研究で使用したMo4Pt8Ox SNPsは、室温および大気圧下で酸素を除去することができ、低エネルギーでのCO2変換の第一歩を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、室温・大気圧でのCO2水素化を触媒的に進行させることに成功しいる。これはA02班との共同研究の成果である。最終年度はCO2還元やそのほかの高難易度反応にさらに拡張し、より高い触媒特性や優れた安定性を得るための指針を得ていく計画である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はCO2還元活性のさらなる向上を目指し、またゼオライト担体によるCO2濃縮効果なども組み込みより低圧のCO2を直接変換できるようなシステムの開発を目指す。本領域研究が提唱する動的活性点を持つ触媒のコンセプトをCO2からさらに他の高難易度反応、化学工業的に重要な触媒科学のターゲット反応にさらに拡張し、実装する計画である。
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