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CO2擬高圧場を活用したCO2還元機構の低圧駆動

計画研究

研究領域反応駆動学:カーボンリサイクルにむけた限界打破への挑戦
研究課題/領域番号 22H05045
研究種目

学術変革領域研究(B)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅱ)
研究機関名古屋大学

研究代表者

織田 晃  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80762377)

研究分担者 西村 好史  早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (10778103)
研究期間 (年度) 2022-05-20 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
38,350千円 (直接経費: 29,500千円、間接経費: 8,850千円)
2024年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
キーワードゼオライト / CO2還元 / 金属ナノ粒子 / 量子化学計算 / ダイナミクスシミュレーション / CO2還元低温低圧駆動 / 動態 / ナノ粒子 / 担持金属触媒 / 原子~サブナノクラスター / 高速高精密電子状態計算 / CO2濃縮 / ダイナミクス
研究開始時の研究の概要

既存のCO2還元機構は高圧ガスを要する. なぜ高圧ガスを用いなければならないのか?本研究では, CO2擬高圧場をCO2還元場として活用することで, CO2還元作動圧を革新的に下げることに挑戦する. 即ち, 領域メンバーが設計する活性点と分離膜の機能が理想反応圧条件下で一つの触媒システムとして発揮するために不可欠な反応場を申請者が提供し, 本領域が目指す常温常圧高選択的CO2還元の達成に貢献する.

研究実績の概要

カーボンニュートラル実現にはCO2還元技術の革新が必要である。特に、CO2還元時に投入する外部エネルギーや回収-触媒の多段階工程の削減が必要である。本研究ではCO2の回収に有効なゼオライトの空間内で水素化活性の高い金属サイトを高度にデザインすることで、CO2水素化を低温低圧で引き起こす反応場の設計と反応機構の解明を目的とする。
初年度では、サブナノサイズの金属内包ゼオライトの設計手法と解析手法を確立した。本年度では、2-3 nmサイズに制御された合金ナノ粒子が内包されたゼオライトの合成手法を確立した。更に、固体酸点の濃度の制御も同時に行い、金属ナノ粒子と固体酸点との相乗効果をゼオライトの細孔内で能動的に引き起こした。これによって、メタネーションをはじめとするCO2水素化反応に対して高活性が発現することを見出した。また、低温-低圧域においても高い活性が確認された。
A01班との連携により、常圧で逆水性ガスシフト反応を駆動する担持Mo-Pt触媒の開発に成功し、その活性起源を分光学的に明らかにした。この触媒の開発にあたり、担持触媒のユニークな局所構造や動的挙動の有用性が示唆されたため、新規な担持Pt触媒の設計と水素化への応用にも着手した。
量子化学計算において、高精度なエネルギー計算とab initio分子動力学シミュレーションの併用により、低圧でCO2を多分子吸着可能な新奇活性点の予測に成功した。更に、金属内包ゼオライトのダイナミクスシミュレーションのスクリーニングを行い、ゼオライトに内包された金属種の特異なダイナミクスの予測に成功した。これら理論予測に基づき、触媒反応場設計指針を領域内で提言した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた触媒設計は難しく、新たな視点でゼオライトを合成することになったが、一段階水熱合成法を駆使し、狙いの構造を設計できつつある。反応場設計に柔軟性が生まれ、これを活かし、ゼオライト空間ならではの特異な触媒機能を明るみにすることもできた。A01班との連携を進め、その反応空間の原子スケール観察にも着手しはじめた。崩壊しやすいゼオライト材料ではあるが、高分解能を有するADF-STEMを用いた直接観察の条件の最適化ができつつある。また、ゼオライトのサイズや形態の制御によって、より高度な観察が可能となることが示唆されている。量子化学計算においては未開拓な低圧CO2捕集機構の存在や内包金属のダイナミクスが予測され、具体的な反応場設計指針を提言できた。

今後の研究の推進方策

ゼオライト構造をMFIからMWWやMOR、CHAに拡張し、金属ナノ粒子内包ゼオライトの設計学を拡張する。更に、2023年度に確立した金属ナノ粒子のサイズ制御と合金化の手法を併用し、組成とサイズ、形態が制御された金属ナノ粒子のゼオライト内包を実現する。
当初予定していたよりも金属内包ゼオライトの構造制御が十分になされていない。特に、ゼオライトの結晶性や形態の制御が不十分な現状である。本年度はこれを克服するための合成条件の探索も行い、金属内包ゼオライトの更なる触媒性能向上を狙う。
2023年度では、触媒応用を検討し、メタネーションに対する高活性を見出した。また、低温低圧域での活性も確認した。本年度では反応系を逆水性ガスシフト反応とメタノール合成反応へ展開しつつ、これら触媒特性の温度-圧力依存性を詳細に検証する。
量子化学計算においては、高精度なエネルギー計算とab initio分子動力学シミュレーションの併用により、特定の金属イオン交換ゼオライトが特異なCO2低圧捕集機構を明るみにした。本年度ではこの捕集機構を考慮した触媒設計も行う。
2023年度では金属内包ゼオライトのダイナミクスシミュレーションのスクリーニングを行い、ゼオライトに内包された金属種のダイナミクスの特異性を押さえた。本年度では扱うモデルサイズを拡張し、よりリアルな金属内包ゼオライトの動態をシミュレーションしていく。これと並行して、メタダイナミクスシミュレーションにより内包金属種の反応性も予測していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Ultra-small Mo-Pt subnanoparticles enable CO2 hydrogenation at room temperature and atmospheric pressure2023

    • 著者名/発表者名
      Atqa Augie、Yoshida Masataka、Wakizaka Masanori、Chun Wang-Jae、Oda Akira、Imaoka Takane、Yamamoto Kimihisa
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 59 号: 80 ページ: 11947-11950

    • DOI

      10.1039/d3cc02703a

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Breaking the Structure-Activity Relationship in Toluene Hydrogenation Catalysis by Designing Heteroatom Ensembles Based on a Single-Atom Alloying Approach2023

    • 著者名/発表者名
      Akira Oda, Takahisa Fujita, Yuta Yamamoto, Kyoichi Sawabe, and Atsushi Satsuma
    • 雑誌名

      ACS Catal.

      巻: 13 号: 15 ページ: 10026-10040

    • DOI

      10.1021/acscatal.3c02132

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり

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公開日: 2022-05-25   更新日: 2024-12-25  

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