研究領域 | 精密高分子による次世代医薬開拓 |
研究課題/領域番号 |
22H05048
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
星野 友 九州大学, 工学研究院, 教授 (40554689)
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研究分担者 |
長尾 匡憲 九州大学, 工学研究院, 助教 (40904008)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
2024年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2023年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2022年度: 22,360千円 (直接経費: 17,200千円、間接経費: 5,160千円)
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キーワード | 高分子進化 / 精密高分子 / プラスチック抗体 / 制御ラジカル重合 / 分子進化工学 / 分子認識 / 創薬 / ブロック重合 / 均一高分子 / ラジカル重合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、様々な官能基を有する汎用性のモノマーを制御ラジカル重合し、クロマト技術を駆使して組成・配列・構造の差異により分離することで精密高分子のライブラリを作成する。相互作用スクリーニングにより疾患原因タンパクに強く結合する精密高分子を同定し、組成、配列を決定する。疾患としては予備検討済みの癌およびCOVID-19の致死原因の敗血症とする。また、A02班と共に、精密高分子の高速進化システムを開発する。さらに、A03班とともに、分子進化工学を用いて互いを強く認識する精密高分子・ペプチドペアを取得する。最後にA04班と共に動物実験により精密高分子による疾患治療を実証する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、ピレニルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、アクリル酸やtertブチルアクリルアミドのような様々な官能基を有するモノマーを制御ラジカル重合し、クロマト技術を駆使して組成・配列・構造の差異により分離する ことで精密オリゴマーのライブラリを作成した。次に得られた精密オリゴマーの構造や配列と標的分子認識能あるいは自己組織化能の関係を評価して明らかにした。さらに、蛍光色素を側鎖に有する精密高分子を合成・精製して立体構造が完全に定まったオリゴマーを取得した。これらのオリゴマーは主鎖のキラリティーに依存して特異的なCDスペクトルを示すことを明らかにした。また、高分子の部位特異的に官能基を道入する技術や側鎖を変換する技術を開発し、反応機構を明らかにした。末端同士を反応させることで環 状の高分子を合成する技術を開発した標的分子認識能にトポロジーが与える影響を明らかにした。その結果、当該環状高分子が標的タンパク質と強く結合することを明らかとした。また、A02班と共に、精密高分子の高速進化シ ステムの開発をスタートし、精密オリゴマーの末端を定量的にDNAで修飾する方法を確立した。さらに、A03班とともに、分子進化工学を用いて互いを強く認識する精密高分子・ペプチドペアを取得し、配列に対する特異性を評価した。また、A04班と共に動物実験にHMGB-1に結合する合成高分子を同定し、動物実験によりその有効性を証明した。以上の成果を3件の論文発表と6件の学会により発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度はピレニルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、アクリル酸やtertブチルアクリルアミドのような様々な官能基を有するモノマーを制御ラジカル重合し、クロマト技術を駆使して組成・配列・構造の差異により分離する ことで精密オリゴマーのライブラリを作成することに成功し精密オリゴマーの構造や配列と標的分子認識能あるいは自己組織化能の関係を評価して明らかにした。さらに、蛍光色素を側鎖に有する精密高分子を合成・精製して立体構造が完全に定まったオリゴマーを取得した。これらのオリゴマーは主鎖のキラリティーに依存して特異的なCDスペクトルを示すことを明らかにした。また、高分子の部位特異的に官能基を道入する技術を開発し、反応機構を明らかにした。末端同士を反応させることで環 状の高分子を合成する技術を開発した標的分子認識能にトポロジーが与える影響を明らかにした。その結果、当該環状高分子が標的タンパク質と強く結合することを明らかとした。また、A02班と共に、精密高分子の高速進化シ ステムの開発をスタートし、精密オリゴマーの末端を定量的にDNAで修飾する方法を確立した。さらに、A03班とともに、分子進化工学を用いて互いを強く認識する精密高分子・ペプチドペアを取得し、配列に対する特異性を評価した。また、A04班と共に動物実験にHMGB-1に結合する合成高分子を同定し、動物実験によりその有効性を証明した。以上の成果を3件の論文発表と6件の学会により発表した。以上のように概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
汎用性モノマー、連鎖移動剤、開始剤を用いて様々なトポロジーの精密高分子ライブラリを作成する。ライブラリーから標的分子を認識する精密高分子を敏速にスクリーニングするための技術を開発する。ライ ブラリー拡張の為 の側鎖変換技術を開発する。導入した分取式UPLCを用いてライブラリーを高速・分取ラベル化する技術を開発する。多連式QC Mやプレートリーダーを駆使した相 互作用スクリーニングにより癌の標的分子VEGFや敗血症の標的分子ヒストンと強く結合する精密高分子を同 定しA03班に提供する。同時にA02班と高分子のDNAタ グ化条件を検 討し条件が決まり次第A02にライブラリを提供する。また、安全試験用にラ イブラリを合成し、A04班に提供する。
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