研究領域 | 筋肉トランススケール熱シグナリング |
研究課題/領域番号 |
22H05053
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 団 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (40350475)
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研究分担者 |
栗崎 以久男 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 主任研究員 (50583340)
小林 琢也 順天堂大学, 医学部, 助教 (60468585)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
65,520千円 (直接経費: 50,400千円、間接経費: 15,120千円)
2024年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 32,890千円 (直接経費: 25,300千円、間接経費: 7,590千円)
2022年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 筋肉 / 熱散逸 / MDシミュレーション / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画班A01は筋肉細胞の高い異方性に着目し、光学顕微鏡を用いた計測および分子動力学シミュレーションにより、局所における熱の散逸過程を明らかにすること、また筋肉細胞を構成するタンパク質や脂質といった生体分子について、その内部を散逸する熱を原子スケールで理解することに、挑戦する。他の計画班が対象とする組織・個体スケールの熱シグナリングを、分子・細胞のスケールから解釈できる実験的・理論的な基盤の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本計画班A01は、細胞(A02)およびモデル動物(A03)を用いる他の計画班が対象とする、より大きなスケールで見られる熱シグナリングを、分子・細胞のスケールから解釈できる実験的・理論的な基盤の構築を目的としている。特に筋肉細胞の高い異方性に着目し、①光学顕微鏡を用いた計測および②分子動力学シミュレーションにより、局所における熱の散逸過程を明らかにすること、また筋肉細胞を構成するタンパク質や脂質といった生体分子について、その内部を散逸する熱を原子スケールで理解することを目指している。 研究テーマ①および②について、2022年度は以下の内容を実施した。①局所的な熱伝導率計測は、熱励起と温度計測の機能を集約したハイブリッド型ナノプローブ(PDA-FND)を基礎として用いることを第一に計画している。共焦点蛍光顕微鏡を用いた、細胞内部構造の形態学的観察および各種蛍光プローブによる定量イメージングと、ナノプローブを用いた計測手法を組み合わせられるよう、顕微光学系の準備から開始した。あわせてナノプローブ自体の性能(明るさ、サイズ、形状、表面状態等のナノ粒子としての物性)の向上も行い、その成果の一部を学会発表等で報告した。②新規に計算機実験系を導入し、これをセットアップして、タンパク質分子によるATP加水分解に伴う熱産生の計算に着手した。 論文成果としては、まずA01班単独では、当該目的に有効と考えられる分子動力学シミュレーションの手法を整理し、同時に「熱シグナリング」の概念をより広く発信することを目的としてまとめた総説が受理され、年度終了間際に、最終校正前の投稿版がオンライン公開された。さらにA02班およびA03班との3班共同での研究成果が2つの論文成果として公開され、いずれも所属機関よりプレスリリースされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
A01班として執筆した総説が受理されると共に、他の計画班との共同研究成果がProceedings of the National Academy of Sciences誌およびJournal of General Physiology誌に掲載され所属機関からプレスリリースされるなど、当初の計画を上回る成果物を得たため。
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今後の研究の推進方策 |
A01班の課題と共に、班間連携も継続して、研究期間内に最大限の成果が得られるよう努める。
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