研究領域 | 筋肉トランススケール熱シグナリング |
研究課題/領域番号 |
22H05054
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
大山 廣太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 先端機能材料研究部, 主幹研究員 (70632131)
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研究分担者 |
石井 秀弥 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 量子機能創製研究センター, 研究員 (10880651)
大山 智子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 先端機能材料研究部, 主幹研究員 (90717646)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
27,560千円 (直接経費: 21,200千円、間接経費: 6,360千円)
2024年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | 顕微解析システム / 量子ビーム科学 / 量子計測 / 光熱変換 / 骨格筋 / 心筋 / 温度制御 / 温度計測 / リアノジン受容体 / 悪性高熱症 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画研究班は、in vitroにおけるタンパク質から、細胞、臓器までトランススケールに波及する筋熱シグナル解析のためのプラットフォーム技術開発を担う。最先端の光量子科学技術により、筋熱シグナル解明のための顕微解析システムの構築、トランススケール解析基盤の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
本計画研究班は、タンパク質から、細胞、臓器までトランススケールに波及する筋熱シグナル解析のためのプラットフォーム技術開発を担う。最先端の光量子科学技術により、筋熱シグナル解明のための顕微解析システムの構築、トランススケール解析基盤の創出を目指す。 本年度は、初年度に開発した筋肉の熱シグナリングを解析するための時間的・空間的な温度勾配を自在に操作する顕微システム(水の吸収効率の良い近赤外光を対物レンズで集光し、細胞内外の任意の箇所を迅速かつ局所的に加熱することができる光熱変換顕微鏡)を用いて、筋収縮システムにおける熱シグナリングの解明を進めた。具体的には、骨格筋と心筋の精製タンパク質を用いて筋収縮システムを再構成し、様々な温度に加熱された細いフィラメントの動態解析から、両者の温度感受性の違いを調べた。その結果、骨格筋の筋収縮システムが、心臓の筋収縮システムよりも約2℃高くないと活性化しない一方で、体温付近では、温度の上昇に対して心臓よりも1.6倍ほど鋭敏に応答することを明らかにした。この結果は、常に拍動している心臓とは異なり、骨格筋には「不要な時は動かず、必要な時は必要な力を瞬時に出す性質」が備わっていることを示唆しするものであり、運動前のウォーミングアップが筋肉のパフォーマンスを高めるメカニズムを、タンパク質のレベルで新たに説明するものである。これらの成果はA01班との共同研究として、国際学術誌に発表し、プレスリリースを行った。本成果はAltmetric Attention Scoreが250を超え、研究分担者の石井はCranefield postdoctoral fellow awardの受賞するほど、国際的に広く注目を集めた。この他、熱シグナリングに関する総説をA01,A03班と共同執筆、量子ビームで作製した培養基材についての学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画を超えて研究が発展し、一部の成果に関しては学術論文誌での発表、プレスリリースをすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究計画に従い、研究を推進し、研究成果の学術論文誌掲載、国内外の学会で発表することを目指す。具体的な内容に関しては未発表成果のため公表を差し控える。研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点として特筆することはない。
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