研究領域 | 間質リテラシ―:間質の細胞多様性に基づく疾患メカニズムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
22H05062
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
増田 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80615287)
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研究分担者 |
石亀 晴道 関西医科大学, 附属光免疫医学研究所, 准教授 (70729227)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
31,980千円 (直接経費: 24,600千円、間接経費: 7,380千円)
2024年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2023年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2022年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 間質性細胞 / 神経系 / 疾患 / 脳境界マクロファージ / 中枢神経系疾患 / 遺伝子改変マウス / ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では神経系を構成する間質性細胞を包括的に解析し、実質細胞の機能異常に紐づく間質組織変容の解明を進める(神経系間質リテラシー)。特に様々な最新技術を駆使し、脳発達期における間質性細胞ネットワークの理解を進め、その異常がもたらす疾患発症メカニズムの解明を目指すと同時に、中枢神経系疾患モデルマウスを用いて、複雑性間質性細胞クロストークが齎す実質細胞の機能変容という観点から新たな疾患発症メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
脳を含む中枢神経系組織は、実質細胞である神経の周囲にグリア細胞、血管系細胞、免疫系細胞、線維芽細胞といった多種多様な間質性細胞が規則正しく導入され、全身機能を統括する中核組織として機能する。一方、末梢神経系組織内に張り巡らされた神経は、各組織の主要細胞の機能を支える間質性細胞へとその役割を変え、他の間質性細胞と共に組織の正常機能を維持するために重要な役割を担っていると考えられる。そのため、神経系における間質性細胞の機能異常は、実質細胞の機能変容へと直結し、結果として神経系疾患発症に至るものと想定される。本研究では、中枢および末梢神経系組織における間質性細胞の包括的解析を介して各細胞種の遺伝子発現プロファイル、多様性、相互作用、ならびに各種病態発症に繋がる機能的揺らぎを明らかにすることを目的とした野心的な研究計画に取り組んでいる。本年度は、特に野生型マウスおよびアルツハイマー病モデルマウスの脳内から単離回収した各種間質性細胞を用いた1細胞トランスクリプトーム解析を行った。その結果、アルツハイマー病モデルマウスにおいて、認知記憶障害が生じる以前から様々な間質性細胞において遺伝子発現変化が確認された。一方、こうした間質性細胞の機能を正確に解析するために、細胞種特異的は機能操作ツールの開発も並行して進め、ミクログリアや脳境界マクロファージを標的とした細胞除去ツール等の作成にも成功した。今後は、これらのツール等を組み合わせ、アルツハイマー病を含めた中枢神経系疾患発症における脳内間質性細胞個々もしくは相互作用の変容を正確に捉え、疾患発症メカニズムの解明に向けた足掛かりにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、研究代表者・増田と研究分担者・石亀の両者が、それぞれ研究室の立ち上げと研究室の異動に伴い、動物実験施設の移動と実験動物のクリーンナップのために、研究の一次停止を余儀なくされたため研究実施に制限が生じたが、その後の研究実施においては概ね良好な結果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度得られた成果を発展させ、また作成した脳内間質性細胞を標的とした細胞機能操作ツール等を用いて、中枢神経系疾患発症における間質性細胞個々もしくはその相互作用が果たす役割について明らかにする。
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