研究領域 | 性染色体サイクル:性染色体の入れ替わりを基軸として解明する性の消滅回避機構 |
研究課題/領域番号 |
22H05070
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桂 有加子 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (00624727)
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研究分担者 |
井川 武 広島大学, 両生類研究センター, 准教授 (00507197)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
40,170千円 (直接経費: 30,900千円、間接経費: 9,270千円)
2024年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2023年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2022年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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キーワード | 性染色体 / 分子進化 / 両生類 / 性決定 / 入れ替わり / ゲノム / トランスクリプトーム / ターンオーバー |
研究開始時の研究の概要 |
性の消失が回避される仕組みとして性染色体の入れ替わりが生じるプロセスの一端とその進化的背景をカエル2種、ツチガエルとネッタイツメガエルを用いて明らかにする。カエル類は他の生物に比べて性染色体の入れ替わり(別の常染色体が性染色体になること)が頻繁に起こっている。ZW型とXY型をもち、それらの入れ替わりが進行しているツチガエル、性染色体の多型状態からXY型への移行期あるネッタイツメガエルを用い、それぞれの性染色体の配列を同定することで性染色体の入れ替わりのプロセスを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、両生類でXY型からZW型への性染色体の入れ替わりが生じるプロセスを明らかにすることである。そのために、XY型とZW型をもつツチガエルとネッタイツメガエルの両生類2種の大規模な塩基配列情報を決定し、性染色体配列を同定し、集団あるいは系統間での性染色体の違いを明らかにする。2023年度は、塩基配列情報の解析により、日本に分布するツチガエル集団の系統関係を明らかにした。さらに、X,Y,Z,W染色体由来の配列の解析により、Y染色体とZ染色体の相同性が高いことを明らかにした。以上について学会等で発表を行った。また、実験に利用するために、6-7月にツチガエル2集団の野外サンプリングを行い、研究室で飼育を継続している。繁殖期のツチガエルの自然交配により、オタマジャクシから未分化な性腺を含む組織を採取し、RNA抽出を行った。ネッタイツメガエルについて4近交系統での性決定時期の幼生組織のRNA-seq解析を行った。雌雄で多型のあるゲノム領域をGRAS-Di 法により決定した。以上より、一部系統で性決定候補遺伝子の絞り込みに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた通り、両生類2種において大規模な塩基配列情報の決定を行い、性染色体及び性決定候補遺伝子の絞り込みを行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ツチガエルの2個体(XX,ZZ)についてPacBio Revioシステムによるロングリードシーケンスの染色体レベルでのアッセンブルを行う。また、RNA-seq法による遺伝子発現解析を行い、雌雄で発現差のある遺伝子を同定し、性決定候補遺伝子の探索を行う。ネッタイツメガエルについては、性決定候補遺伝子が性決定に関わっている可能性についてCRISPR-Cas9システムを用いた機能欠失・獲得実験による性決定配列の同定を検討する。
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