研究領域 | 光の螺旋性が拓くキラル物質科学の変革 |
研究課題/領域番号 |
22H05134
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
中嶋 琢也 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70379543)
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研究分担者 |
廣瀬 崇至 京都大学, 化学研究所, 准教授 (30626867)
森末 光彦 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 助教 (40403357)
山田 美穂子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70726257)
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40221197)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
95,290千円 (直接経費: 73,300千円、間接経費: 21,990千円)
2024年度: 18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2023年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円)
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キーワード | 自己組織化 / 円二色性 / 円偏光発光 / キラリティー / 超螺旋光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光の螺旋性と強く相互作用し、構造と励起子挙動を協奏的に制御するキラル秩序を有する分子・集合体の開拓を目的とする。(1)合理的なキラル分子設計と集合体のらせん秩序化に基づく極限円偏光発光の実現、らせん秩序を有する分子・分子集合体における励起子のスピン偏極とコヒーレント制御、に取り組む。さらに、(1)に対して、(2)「超螺旋光」を作用させることで、光の角運動量の保存・損失・補償・増幅を励起子の挙動として評価する。領域内の共同研究を通じた新規理論の構築、超螺旋光によるキラル集合構造の階層的らせん秩序化など新奇現象の発見を通して領域の推進に貢献する。
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研究実績の概要 |
本年度は、代表者のグループにおいて、キラル構造を有する銀クラスターの開発ならびに構造・物性評価を進めた。この銀クラスターは、コアシェル階層構造を有し、シェルに有機配位子のらせん配列を有するキラル構造を有している。アニオン性の銀クラスターの表面に、カチオン性の銀錯体を添加することで、近赤外I(~770nm)に強発光することを見出した。さらに、励起状態において、キラルシェルが収縮する構造緩和が起きていることが示唆された。円偏光発光測定の結果、0.005程度の異方性因子が得られ、キラル構造緩和特有のキラル発光特性が得られていることを見出した。代表者グループでは、キラルプラズモン増強場としてのプラットフォームとして、キラルな構造、配列を有する金ナノ粒子、銀ナノ粒子の開発も進めている。 また、分担者の森末は、キラル置換基を有する新規な発光分子を開発し、円偏光発光特性を見出している。今後、理論研究によるキラル物性の裏付けを進める。また、分担者の廣瀬は種々のヘリセン分子を合成し、良好な円偏光発光特性を見出している。特に、らせん軸を揃えたヘリセン配列を有する単結晶構造を得ており、今後のCPL特性に期待が持たれる。分担者の山田らは、立体選択的な光反応を示す6π電子環状反応性を組み込んだらせん構造を有する配位子を合成し、キラル金属錯体の構築を行った。これらは、それぞれ、共同研究による超螺旋光照射実験の対象となる分子群であり、今後、絶対光不斉反応、らせん秩序化などを進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
代表者、各分担者グループにおいて、キラルな物質群の創成と、キラル光学特性の発現が確認されている。今後、領域内の計測グループ、理論グループとの連携により、共同研究が大幅に発展することが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までで、代表者、各分担者において、定常光(非超螺旋光)に対して、優れた光応答性、円偏光二色性、円偏光発光特性を示す金属クラスター、キラル分子、分子集合体のシステムについて開発を行った。 今後は、これらの物性開拓ならびに超螺旋光との相互作用を中心に検討を行う。例えば、ヘリセン分子について、らせん軸を揃えた配向を有する単結晶が得られており、単結晶状態における円偏光発光測定を実施する。また、低温状態における円偏光発光についても評価を行う。共同研究により、円偏光アンテナとなる分光可能な金微細加工プラズモンチップを作成し、その表面をキラル分子で修飾し、プラズモン円二色性の増幅について検討を行う。さらに、発光分子修飾についても検討し、円偏光発光の増幅についても評価を行う。アキラル分子のキラル自己組織化について、円偏光ならびに光渦照射による、対掌性制御について検討を行う。具体的には、酸発生によりトリガーされる自己組織化システムを開発し、酸発生分子への光渦、円偏光照射を行い、掌性制御の可能性について検討を行う。 また、キラル分子と超螺旋光との相互作用について知見を得るため、代表者、分担者が有するキラル分子、錯体、超分子を積極的に領域内に提供し、多様な物質操作系、評価系における共同研究を推進する。
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