研究領域 | 行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学 |
研究課題/領域番号 |
22H05155
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
春野 雅彦 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (40395124)
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研究分担者 |
渡邉 慶 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (00772740)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
111,930千円 (直接経費: 86,100千円、間接経費: 25,830千円)
2024年度: 23,790千円 (直接経費: 18,300千円、間接経費: 5,490千円)
2023年度: 23,270千円 (直接経費: 17,900千円、間接経費: 5,370千円)
2022年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
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キーワード | 行動変容 / 帯状回 / 扁桃体 / fMRI / 計算モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では社会行動課題を用い、1)社会行動中のヒトが、複数のゴールを重み付けし、意思決定する脳ダイナミクスを、行動選択、反応時間、顔面表出、皮膚温度、眼球運動、心拍を含む多次元脳動態の解析に基づきモデル化することで解明する。さらに、2) 深部刺激が可能なdouble-cone coilによるTMS、集束超音波刺激、DecNef法に基づく脳活動操作実験を行い、多次元脳動態と社会行動変容の因果関係を示す。また、3) ヒトとの相同課題を用いてマカクザルが示す社会行動における行動変容を解析・操作することで、細胞レベルでの脳動態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
向社会・自己行動の選択はヒト社会におけるもっとも重要な意思決定の一つである。本研究では、この向社会・自己行動の選択の神経機構をヒトとマカクザルを対象に行動変容の立場から明らかにすることを目標とする。ヒトでは、最後通牒ゲームにおける不公平な提案を受理するか拒否するか決める行動選択とその反応時間に対し、自己の報酬額よりも、相手が自分よりどれだけ多いかを示すDisadvantageの効果の方が大きいことを明らかにした。また、不公平な提案を受理する際の反応時間もDisadvantateに対する感度でおおまかに決まることを明らかにした。さらにその神経機構として、Disadvantateに相関する背測帯状回皮質の活動がDisadvantageに対する扁桃体の活動を抑制しており、背測帯状回皮質と扁桃体の機能結合が反応時間と相関することを見出した。つまり、自己の報酬を最大化する選択をする場合にもその反応時間は不公平に対する脳活動を抑制するプロセスによって規定されていることが分かる。また、この扁桃体の活動を非侵襲的に操作するために経頭蓋集束超音波刺激装置を導入し、顔表情判断課題を行うfMRI実験を行った。その結果、超音波刺激後に扁桃体の活動が減少し、恐怖表情の判断精度が低下することを見出した。 マカクザルを対象とした実験では、研究分担者である大阪大学の渡邉慶准教授が、マカクザルに自己の報酬と相手へのエアパフ刺激のペアとして大・大か小・小を選ぶ課題を訓練した。その結果、マカクザルが自分の報酬を犠牲にして相手のエアパフを小さくすることを見出した。現在は今後の超音波刺激実験に向けた準備を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトの向社会・自己行動を決める基礎的なプロセスを特定し、超音波刺激実験の準備実験を完了した。マカクサルの社会実験において基礎的なセットアップを完了し、超音波刺激実験に進める段階となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はヒト、マカクザルにおける集束超音波刺激実験を推進するとともに、マカクザルで行っている実験課題と相同の課題をヒトfMRI実験を実施し、両者を密接な連携のもと推進する。
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