研究領域 | 行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学 |
研究課題/領域番号 |
22H05160
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松崎 政紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50353438)
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研究分担者 |
尾藤 晴彦 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00291964)
節家 理恵子 (市原理恵子) 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (30532535)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
224,250千円 (直接経費: 172,500千円、間接経費: 51,750千円)
2024年度: 43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2023年度: 42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)
2022年度: 50,440千円 (直接経費: 38,800千円、間接経費: 11,640千円)
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キーワード | 行動変容 / マーモセット / イメージング / 大脳皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
マウスと小型霊長類マーモセットにおいて、意思決定/運動が関わる課題を構築し、この課題実行中の脳活動を広域また局所的に高精度イメージングし、かつ顔面表出を同時計測する。領域内連携によって、多細胞神経活動(脳情報動態)と多次元行動変容を次元圧縮して、マウスとマーモセットに共通の行動変容の基盤となる脳情報動態を解明する。行動変容前後での顔面表出および神経活動の変化にも注目し、目的の行動を選択する前に個体で何が起こっているのか、目的の行動を繰り返すと個体で何が変わるのかを明らかにし、動物の行動変容の回路機能基盤の理解を変革的に進める。
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研究実績の概要 |
今年度は、研究項目1:マウス意思決定-運動の行動変容回路では、頭部固定マウスにおいて、レバーの重さを数回入れ替えることで2回目以降のレバーの重さ変化にマウスがより早く適応することを見出した。課題中のマウス神経活動を一次運動野以外の大脳皮質領域でもイメージングによって検出できるようにした。研究項目2:マーモセット意思決定の行動変容回路では、頭部固定マーモセットにおいて、視覚と聴覚刺激を手がかり刺激として研究項目1と同様の実験を行っているが、霊長類特有の行動変容回路を明らかにするために手がかり刺激に対して発声を行う課題の構築も行った。研究項目3:マウス連合記憶学習過程の行動変容回路では、学習過程で興奮性・抑制性細胞のどのような活動動態が、行動変容の生成の引き金となるのかを解明するために、音刺激と水報酬の連合記憶を形成させる条件付けをマウスに対して行い、同時にイメージングを行った。報酬前・音刺激直後の神経細胞活動の変化を明らかにするための解析を行った。研究項目4:マーモセット社会性意思決定の行動変容回路では、マーモセットを対面させる代わりに、マーモセットの行動を録画し、これをモニターに表示することで、実験個体の行動に変化が出るかを計測できる実験系を新たに構築し、モニター内での他者行動を注視していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス動物実験の構築およびイメージングによる神経活動計測は順調に進んでいる。マーモセットでは課題構築に少し時間がかかっているが、課題の改良によってマーモセットの行動変容がはっきりと観察されていることから、当初目的に対しておおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の実験を引き続き進め動物数とイメージング実験数を増やすとともに、神経活動と行動変容の関係性の解析を本格的に進める。
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