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他との交雑を可能にする開花時期決定のゲノム動態原理

計画研究

研究領域植物の挑戦的な繁殖適応戦略を駆動する両性花とその可塑性を支えるゲノム動態
研究課題/領域番号 22H05180
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関東京大学

研究代表者

井澤 毅  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10263443)

研究分担者 伊藤 純一  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30345186)
内田 誠一  九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (70315125)
研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
102,960千円 (直接経費: 79,200千円、間接経費: 23,760千円)
2025年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2024年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2023年度: 18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 26,260千円 (直接経費: 20,200千円、間接経費: 6,060千円)
キーワードイネ / 短日植物 / フロリゲン / ゲノム多様性と進化 / ゲノム編集 / 光周性花芽形成 / Ghd7遺伝子 / シス制御配列 / 環境応答性 / リアルタイムモニタリング / 汎ゲノム解析 / シス配列進化 / 深層学習 / フロリゲン遺伝子
研究開始時の研究の概要

両性花の他殖の成立に必須な花形成の同期には環境応答性の解明が必要である。
本研究では、(1) cis欠失変異系統を網羅的に創出し、フロリゲン遺伝子群のcis制御配列を完全同定する。遺伝子間におけるcis制御因子群の機能分化・新機能獲得の包括的なモデル化を行う。(2) 野生イネと栽培イネの数千系統におよぶ大規模ゲノムデータに基づき、ゲノム中に散りばめられた花形成関連遺伝子群のゲノム多様性をコアレスセント解析し、要となった自然変異群の同定を目指す。(3)光受容体フィトクロムの気温応答性の分子機構を解明する。フロリゲン複合体の新規因子を同定し、結合シミュレーションによる構造予測解析を行う。

研究実績の概要

両性花の他殖の成立に必須な花形成の同期機構には環境応答性の解明が必要である。これ
までの解析から、イネでは、開花遺伝子群が、異なる組み合わせの自然片を持つことで、異なる環境応答性を獲得し、広範囲な栽培域を可能にしていることが明らかとなっている。これまでに、気温応答性と光周性の花芽形成が同じ光受容体・温度センサーを用いて、同じ花芽形成抑制遺伝子であるGhd7遺伝子の転写制御・活性制御を通じて、花芽形成のタイミングを決めていることを明らかにしてきた。この遺伝子ネットワークの種内多様性を明らかにすることで、他殖の成立に必須な野外での環境応答性の分子機構の多様性を理解する。

本研究では、まず、ゲノム編集技術により cis 欠失変異導入変異系統を網羅的に創出し、Hd3a, RFT1, Ghd7といった鍵となるイネ花芽形成遺伝子群のcis制御配列を完全同定する。現在までに、Ghd7という長日条件もしくは低温条件で働くイネの主たる花芽形成抑制因子に関して、転写開始点から約60kbp上流までをゲノム編集による欠失変異を用いて探索することで、約27kbp上流にある200bp内に、フィトクロムによる転写を正に促進するシス配列と概日時計の作用で、特定の位相の時刻で抑制するシスが近傍に存在していることを明らかにしていて(河内ら、第145回日本育種学会講演会優秀発表賞)、現在、さらなる絞り込みを行っている。次に、遺伝研や赤木班との共同研究で、 野生イネと栽培イネの数千系統におよぶ大規模ゲノムデータに基づき、ゲノム中に散りばめられた花形成関連遺伝子群のゲノム多様性をコアレスセント解析している。これらのゲノム多様性を利用した、推定QTN探索系の開発を行っている。そして、遺伝子間におけるcis制御因子群の機能分化・新機能獲得の包括的なモデル化を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Ghd7遺伝子に関しては、60kbの領域をサーベイして、転写開始点から27kb上流の200bpに促進・抑制に働くシス制御配列がタンデムに並んでいることを示す予備的成果を得ている。
今後、絞り込みを進める予定である。

今後の研究の推進方策

シス制御配列を同定した後は、その配列を認識する転写複合体を同定し、その機能をゲノム編集による突然変異を用いて検証していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Fertilization controls tiller numbers via transcriptional regulation of a MAX1-like gene in rice cultivation2023

    • 著者名/発表者名
      Cui Jinying、Nishide Noriko、Mashiguchi Kiyoshi、Kuroha Kana、Miya Masayuki、Sugimoto Kazuhiko、Itoh Jun-Ichi、Yamaguchi Shinjiro、Izawa Takeshi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 14 号: 1 ページ: 3191-3191

    • DOI

      10.1038/s41467-023-38670-8

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] High genome heterozygosity revealed vegetative propagation over the sea in Moso bamboo2023

    • 著者名/発表者名
      Nishiyama Norihide、Shinozawa Akihisa、Matsumoto Takashi、Izawa Takeshi
    • 雑誌名

      BMC Genomics

      巻: 24 号: 1 ページ: 348-348

    • DOI

      10.1186/s12864-023-09428-9

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Reloading DNA History in Rice Domestication2022

    • 著者名/発表者名
      Izawa Takeshi
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 63 号: 11 ページ: 1529-1539

    • DOI

      10.1093/pcp/pcac073

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ゲノム編集による上流欠失イネを用いた Ghd7の発現制御機構の解析2024

    • 著者名/発表者名
      小郷裕子(野花研)、伊藤博紀(作物研)、 内藤健(遺伝資源研究センター)、井澤毅(東大)
    • 学会等名
      日本育種学会第145回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 遠位シス制御因子 によるイネ開花抑制遺伝子 Ghd7 の 転写制御2024

    • 著者名/発表者名
      河内匠,小郷裕子,三村真生,井澤毅
    • 学会等名
      日本育種学会第145回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Fertilization controls tiller numbers via transcriptional regulation of a MAX1-like gene in rice cultivation2023

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Izawa
    • 学会等名
      ISFRG2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Integration of genetic variations in Oryza rufipogon uncovers the hidden processes of rice domestication (2)2023

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Izawa
    • 学会等名
      ISFRG2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-06-20   更新日: 2025-06-20  

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