研究領域 | 生体防御における自己認識の「功」と「罪」 |
研究課題/領域番号 |
22H05186
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
瀬川 勝盛 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20542971)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
100,750千円 (直接経費: 77,500千円、間接経費: 23,250千円)
2024年度: 20,670千円 (直接経費: 15,900千円、間接経費: 4,770千円)
2023年度: 20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
2022年度: 17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
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キーワード | リン脂質 / マクロファージ / 脂質移層分子 / 細胞膜 / 膜タンパク質 / 免疫応答 / リン脂質移層分子 / リン脂質移層タンパク質 / 内因性免疫 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
「細胞膜」は細胞と外界を仕切る、生物の最も根幹的な構造体である。リン脂質二重層がその実体であり、構成するリン脂質は二重層間で非対称に分布する。申請者はこれまでに、リン脂質を非対称に分布させる分子-フリッパーゼを相次いで同定してきた。本計画研究では、リン脂質を感知・動態制御する分子を戦略的に同定することで、「膜脂質」が担う未知の自己監視機構や生体防御機構の実態を明らかにし、さらに免疫学を超えて普遍的な生物学的意義を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
膜を構成するリン脂質は、タンパク質により感知・制御されることで恒常性が維持される。しかし、“自己リン脂質を認識する”という現象が生体にとってどのような「功」と「罪」があるのかは不明な点が多い。また、細胞にはリン脂質以外にもさまざまな生体物質の感知・制御機構が備わる。本計画研究では、リン脂質を中心にさまざまな生体物質を感知・制御する分子を同定する。同定した分子の欠損・変異細胞やマウスを解析することで自己認識が生体におよぼす「功」と「罪」を明らかにする。本年度では、細胞膜リン脂質の動態を制御する新しい分子を同定することに成功した。また、共同研究によりその分子の構造の決定を進めている。さらに、同定した分子の遺伝子改変マウスを導入し、その生理病態学的意義の解明を進めている。またマクロファージがもつ自己成分過剰反応抑制機構の解析もすすめている。本年度では、インターフェロンのレポーターを組み込んだマクロファージの細胞株を樹立することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、胞膜リン脂質の動態を制御する新しい分子を同定することに成功した。また、共同研究によりその分子の構造の決定を進めている。さらに、同定した分子の遺伝子改変マウスを導入し、その生理病態学的意義の解明を進めている。また、同定分子が細胞膜の障害の修復に関与する可能性が見出した。また、同定した分子の遺伝子改変マウスを導入し、その生理病態学的意義の解明を進めている。またマクロファージがもつ自己成分過剰反応抑制機構の解析もすすめている。本年度では、インターフェロンのレポーターを組み込んだマクロファージの細胞株を樹立することに成功した。以上より研究は順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新しく同定したリン脂質移層分子がどのように活性化するのかその制御機構を明らかにする。また、各種遺伝子欠損マウスのモデルを用いて、その生理・病態学的意義を解明する。また本年度、インターフェロンのレポーターを組み込んだマクロファージの細胞株を樹立することに成功した。今後、このレポーターマクロファージに死細胞を貪食させて、自己成分の過剰反応抑制に関与する分子をGenome-wide CRISPR/Cas9 screenを用いて網羅的に同定することを目指す。
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