研究領域 | 数学を基軸とした形状設計モデリング |
研究課題/領域番号 |
23H03799
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
矢地 謙太郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90779373)
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研究分担者 |
寺本 央 関西大学, システム理工学部, 准教授 (90463728)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,900千円 (直接経費: 33,000千円、間接経費: 9,900千円)
2024年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2023年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
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キーワード | トポロジー最適化 / データ駆動型設計 / 深層生成モデル / 形状設計モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、数理解析的手段が困難な非線形現象が支配的な設計問題に対するデータ駆動型の形状設計モデリング手法を開発する。本枠組みは、機械学習とトポロジー最適化に代表される高設計自由度の最適設計の方法論を融合させつつ、広い意味での情報幾何学に基づき解空間上に適切な計量を埋め込むことで網羅的な解探索を行い、予め定めた疑似最適化モデルを逐次的に進化させていくトップダウン方式により所望の設計解を導出する。非線形性の強い流体構造設計問題を対象としたケーススタディを通して本枠組みの有効性と妥当性の検証を行うと共に、他の領域班と協力しながら提案手法を洗練化していく。
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研究実績の概要 |
本研究では数理解析的手段が困難な非線形現象が支配的な設計問題に対し、進化的アルゴリズムの考え方を取り入れたデータ駆動型の形状設計モデリング手法「トップダウン型形状設計」の構築を目指す。本枠組みは、機械学習とトポロジー最適化に代表される高設計自由度の最適設計の方法論を融合させつつ、広い意味での情報幾何学に基づき解空間上に適切な計量を埋め込むことで網羅的な解探索を行い、予め定めた疑似最適化モデルを逐次的に進化させていくトップダウン方式により所望の設計解を導出する。これにより、はじめの擬似最適化問題の適切なモデリングさえできれば、幾ら非線形性が強かろうが順問題として数値シミュレーションが可能であれば、扱う物理モデルに一切制約がない設計手法となることが期待できる。 令和5年度は、本枠組みの基盤構築を目的として、基本的な二次元構造の最大応力最小化問題を対象に、深層生成モデルを核とするデータ駆動型設計法を構築した。深層生成モデルによって構成する潜在変数空間からの解候補のサンプリングの手段として、進化的アルゴリズムの一つである実数値遺伝的アルゴリズムの交叉操作を組み込むことで、効率的かつ安定的に解探索を実行可能であることを明らかにした。この方法は潜在交叉(Latent Crossover)と称し、米国機械学会の国際会議で発表したところ高い評価を受け、学術誌Journal of Mechanical Designの特集号に推薦され、掲載された。本論文は当該雑誌のMost Read Articleに選出され、高い注目を集めていることを強調しておきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、本研究で提案するトップダウン型形状設計の基盤構築に注力した。本枠組みの目指すところは、勾配フリーの超高次元トポロジー最適化であることから、提案した枠組みには進化的アルゴリズムの考えを積極的に取り入れている。ここで、遺伝的アルゴリズムといった通常の進化的アルゴリズムをそのまま適用しても、超高次元の設計変数を扱う最適化問題では次元の呪いの影響を強く受けてしまうため、本研究では深層生成モデルによりもとのデータ集合を潜在変数空間に圧縮し、その空間のもとで新たな解候補を生成する仕組みを取り入れている。本研究に取り組む以前は、この潜在変数空間での解候補の生成は乱数サンプリングを採用していたため、最適化の収束性に問題があった。そこで、ここに実数値遺伝的アルゴリズムの選択アルゴリズムとして知られるシンプレックス交叉を取り入れることで、効率的かつ安定的に解探索を実行可能であることを明らかにした。この方法は潜在交叉(Latent Crossover)と称し、米国機械学会の国際会議IDETC/CIEで発表したところ高い評価を受け、学術誌Journal of Mechanical Designの特集号に推薦され、掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
提案するデータ駆動型設計法の基礎構築は完了したため、今後は枠組みとしての洗練化を図る。具体的には、本研究で提案する枠組みを超高次元で実現する進化的アルゴリズムとして捉え、そこで重要となる選択アルゴリズムにトポロジカルデータ解析の技術として知られるパーシステントホモロジーを組み込む。これにより、これまで目的関数空間で選択操作を行っていたのに対し、設計変数空間での選択を実現する。この意図は、トポロジー最適化問題のように超高次元の設計変数を扱う場合、設計変数空間で見た際に大きく異なる解候補であっても、目的関数空間で見るとほぼ同じ状況もしばしば起こり得ることから、進化的アルゴリズムの実行において重要となる解候補の多様性を担保するためである。合わせて、選択操作だけでなく突然変異操作についても、設計変数空間で合理的な計算時間のもとで実行する方法の構築を検討する。いずれも解候補同士の距離を何らかの指標のもとで評価する必要があるため、本研究ではパーシステントダイアグラムの点群に対しワッサーシュタイン計量を導入することで、各材料分布間の距離を間接的に算出し、解集合の多様性を確保する。現状はパーシステントホモロジーに基づき特異な解候補を生成する手法について構想しているが、突然変異操作は解集合の多様性に直結することから、他の手法についても可能性を模索していく。
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